非公式CP
「俺が、どれだけお前を見ていたのか、知らないだろう?」
俺の、問いかけた言葉に羽鳥は目を見開いて固まった。
「俺とお前と千秋が出会って、お前が千秋を追っている間、ずっと俺はお前を追っていた」
そう言って、手を伸ばせば羽鳥はその分後ずさった。それが、少し悲しい。
「お前は、だって、吉野が・・・。」
そう言って混乱している羽鳥。そんな姿さえも、愛しく思う。
「千秋?好きだよ、普通に友達として。」
まぁ、多少友達として分を超えたような接触をしてた時もあったけど。でも、それは羽鳥の嫉妬を誘うため。
そうしないと、俺なんか視界にも入れない。どれだけ、俺が望んだところで幼馴染、と言う壁を越えることは出来ない。
羽鳥にとっての、中心が千秋であるならその千秋を・・・そう考えて何が悪い?好きな人に認識されたい、その人の中に残りたい。それは、人として、恋する人間として当然の欲求だって俺は思う。
「俺が愛しい、そう思うのはお前だけだ。なぁ、羽鳥」
だから、だから・・・
「早く、告白しちまえ。振られたら、慰めてやるよ」
見ていたから、解かる。羽鳥が誰を好きかなんて、ずっと、出会った時からずっと見ていたんだ。解かる。
「・・・お前は、それでいいのか?」
「何が?」
「お前は、それで幸せなのか!?」
「俺の幸せは、俺が決めることでお前が決めることじゃねぇよ」
けど、
「お前が幸せなら、それでいい。お前が、俺を好きになってくれるってならもっと幸せだろうけど」
にっこりと、笑えば今まで遠ざかっていたはずの羽鳥が近づいてくる。
俺よりも身長の高い羽鳥は、俺の肩に額をつけて深く、深く息を吐いた。
「・・・嫌われていると思っていた」
「俺が?お前を?ありえない、な」
「俺がお前を見るたびに、睨んできたくせによく言う」
あぁ、と笑ってしまう。そうすれば、きっと好かれはしなくても、印象には残るだろう。それに、愛しいという気持ちを隠すなら間逆の顔のほうが隠しやすい。
だから、いつもそんな顔をしていた。言ってやらないけど。
「・・・俺も、お前が好きだ」
少しの沈黙の後、ポツリ、と羽鳥が呟いた。
その言葉に、俺は目を見開いて驚く。
「ずっと、好きだった。一目惚れだった。吉野の世話を焼くのは一種の職業病だと思ってもらって構わない。初めて会ったときから、ずっと綺麗な奴だと思っていた。だから、睨まれて嫌われていると思ったときは悲しかった。そんなお前が俺を好きだという。これ以上の幸福が有るか?」
俺は、羽鳥の顔を上げさせる。いつも無表情な癖して、こんな時だけ・・・そんな顔はずるい。
「それ以上の幸福か・・・ないな」
そう、俺が言うときつく、きつく羽鳥が抱きしめてきた。
俺も、羽鳥の背中に手を回す。3人の中でコイツだけ大きくなって厚みもあって、何だか無性に腹が立つけど、それでも、その腕の中は幸せだった・・・。
「・・・これって、千秋にどう言おうか?」
「普通に、付き合い始めました、ではダメか?」
俺達、御付き合い始めました
と、写真添付の上で千秋に送信。
同刻、別の場所でメールを見た千秋は、目を真ん丸くして驚いていた。
「えっ?えぇえええええ!?だって、仲悪かったじゃん!!!?」
終われ。
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