くりんば現世パロは難しい。


大倶利伽羅→倶利伽羅 廣光
山姥切国広→堀川 キク(切国→きりくに→キク)
燭台切光忠→長船 光







大倶利伽羅は面倒なので、抱きつかれたまま放置してると、それを後悔した。

「おお、くり、から・・・」

一筋、涙を流した山姥切は、諦めたような目をして顔を伏せると、そのまま踵を返してスタスタと歩いていってしまう。
慌てて、大倶利伽羅は引き剥がすと、山姥切を追いかけようとする。

「待ってよくりちゃん!行かないで!」
「・・・光、お前が俺に何を期待してるのかは知らん。が、俺はお前を幼馴染以上には見れない」

そう言って、燭台切の手をはがすと、大倶利伽羅はそのまま山姥切を追いかける。

「どうして・・・?」

ボロボロと涙を流しながら、燭台切はその場に崩れ落ちる。

「せっかく、女の子になったのに・・・、これで、くりちゃんも見てくれると思ったのに・・・、どうしていつも、僕を見てくれないの・・・?」

ずっと、刀だった時から傍に居た。好きだった。
伊達家で、僕が一番彼と一緒に居た。僕が、一番くりちゃんの事わかってあげられる。
なのに、何で?
どうして、いつもくりちゃんは僕を選んではくれないの?

燭台切は、制服が汚れるのも気にせずうわぁあああ、と泣き出した。
それでも、その場に大倶利伽羅は居なくて、余計に空しくなるだけだった。
けれども、あふれる涙は止まらない。
みっともなくても、かっこ悪くても、この場から動くことが出来なかった。








「キク!!」

あの日、大倶利伽羅に出会った場所に蹲って、ただ耐えるように膝を抱えて涙を零していた山姥切は、自分を呼ぶ声に驚いた。
ハッと、顔を上げれば、息を切らしたような大倶利伽羅の姿が。

「くり、からっ」

息を切らすほど、慌てて探してくれたのかと思うと凄く胸が苦しくなるほど嬉しかった。
けれど・・・。

「なん、で?」

大倶利伽羅は、燭台切を選んだはずだった。
初めて、この人間(ヒト)の姿で出会った頃から、仲良くなれたと思った。
それに連れて、大きくなる恋心に蓋をしたはずだった。
けれど、それはどんどんあふれてきて蓋を仕切れなかった。それが、態度に出ていたのかもしれない。
だから、明日からキチンと友達で居ようと思ったのに、何故大倶利伽羅は自分を追いかけてきたのか。それが、わからない山姥切。

「何で、だと?」

泣いていたくせに、と少し乱暴に頬を拭われる。
そのことに、大倶利伽羅から触れてきたことに、情けなくも頬が熱くなる。

「だって、お前は、しょく・・・、長船が・・・」
「何を誤解してるのか知らないが、俺はアイツとはただの幼馴染だ」

それ以上でも以下でもない、と真っ直ぐに目を見て告げる大倶利伽羅に、山姥切はふっと力が抜けた。力が抜けたと同時に、ボロボロと再び涙があふれた。

「何でまた泣くんだ、お前は」

少し、呆れたように優しく笑いながら、今度は優しく大倶利伽羅の手が頬を拭った。

「・・・好きだ、倶利伽羅。だから」

一緒には居られない。
ぽろっ、と零れた言葉にハッとした山姥切はそう付け加える。

「何で?」
「好きだから、一緒に居られない。友達じゃ、居られない」

それが、何故かとてつもなく悲しくて、涙が止まらない。
お前、馬鹿だな、と大倶利伽羅は山姥切の腕を引っ張り、自分の方へと抱き寄せた。

「っ!倶利伽羅!?」
「お前ぐらい、面倒臭い奴の方が俺はいい」

そう言って、大倶利伽羅はゆっくりとなだめるように、山姥切の頭をなでる。

「好きだ」

だから、泣くな、と大倶利伽羅は言った。
目を見開いて、山姥切は大倶利伽羅を見上げた。
真っ直ぐに、射抜くようなその瞳は、変わらず真っ直ぐで、嘘がない事を告げていた。

あぁ、こんな幸福があっても良いのだろうか?

近づいてきた、大倶利伽羅の顔。自然に、目を閉じた。



- 141 -


[*前] | [次#]
ページ:

戻る
main