君に愛されたいと願ってしまった。


閲覧後の苦情は受け付けておりません。また、閲覧前も同じくです。
誤字脱字気にしないでスルーしてください、面倒なので。
女体化です。
出てきませんが、プロセラ女体化です。

ちみっとばかし、始→海のような表現が有ります。
また、隼視点なので始←隼のような関係です。はい。






頑張りましょう。












『しゅーん?』

と、僕の名前を呼ぶ、少し呆れを含んだような、間の伸びた声が好きだ。
呼ばれる度に、幸せな気持ちになれる。
僕が始のファンであることは周知の事実だ。
僕よりも上にある睦月始と言う名前を見て、興味を持った。彼がアイドルになると言うから僕もなってみようと思った。
同じグループには当たり前だけどなれなかった、けど側に居る事ができた。
それだけで、良かったと……言えればよかった。

僕と始は、家同士が決めた婚約者同士。二十歳のおり、睦月家に集まる行事が有ってその時に正式に発表された。
僕の家と、睦月の家が関係あるなんてその時初めて知った。もちろん、その少し前から睦月の姫様の話も聞いていたよ。
本当に、驚いた。始も同じだったみたい。
まぁ、正式に婚約者として発表されて世間を賑わせたけど、仕方ない事だと僕は思ってる。
睦月の家も、僕の霜月の家も歴史ある名家で、家同士のつながりを僕ら個人で反対なんてできない。
勿論、始が反対するつもりなら何が何でも、反対した。
でも、事務所に迷惑をかけると分かっていながら始はそれを承諾した。
仕方ない、と。
睦月の姫様と始が似ている。睦月の姫様も、自分で結婚相手を決めて少しばかりの自由を手に入れていても、その実”睦月”様なのだ。
睦月の本家、その立場から逃れることなんてできない。それを、始はちゃんとわかっていた。
だからこそ、僕は……。

「隼さま?」

えっ?と顔を上げると、そこには従兄弟の姿が。

「トモ。久しぶりだねぇ、来てくれてありがと」

今日は健康診断で僕たちは北門の病院へと来ている。事務所の方針でね。
一般人とは区別されているから騒ぎになる事もない。
その事をそれとなく話題に出してみたら、僕も顔を出しますよ、と来てくれたのが従兄弟の北門倫毘沙。この北門の病院の御曹司でもある。
そして、僕らとライバル関係にあるキタコレと言うユニットを組んでアイドルをしている。ちょっと僕と似ているかな?

「隼、紹介してくれ」
「あぁ、ごめんね始。彼は北門倫毘沙。僕の従兄弟だよ」

従兄弟だと紹介すると、始はあぁ、なるほどと納得して頷いた。

「初めまして、北門倫毘沙です。睦月様、でよろしいんですよね?」
「あぁ。睦月始だ。睦月様、は辞めてくれ。普通に始で良い」
「はい。では始さまと。僕の事は、倫毘沙とお呼びください」
「……普通に話してくれて構わないんだが」

苦笑いする始と、王子スマイルの倫毘沙。
王様と王子様のご対面だ、と一人思う。
すると、後ろから”倫毘沙”と彼を呼ぶ声がする。

「全く、何処に行くの」
「あぁ、ごめんねカズ」

カズ、と呼ばれた彼女に向ける倫毘沙の顔は優しい。
僕は思わず首を傾げてしまう。

「トモ、彼女、増長和南ちゃん?」
「あっ、初めまして。増長和南です。えっと、霜月さんと睦月さんですよね?」
「あぁ、そうだ……っと、呼ばれたみたいだ。行って来る」
「いってらっしゃい」

検査の順番が来たのだろう、そうだと始が肯定した所で看護師に呼ばれて始は僕の頭を撫でてからそちらへと向かって行った。
始の姿が完全に見えなくなってから、倫毘沙が僕に尋ねて来た。

「……隼さま、どうなさったのです?」
「えっ?何が?」
「その……始さまとうまく行っていないのですか?」

心配そうな倫毘沙が僕の事を見ていた。
僕はそんな倫毘沙に、そんなにわかりやすかったかな?と内心苦笑いしながらニッコリと笑った。

「うまく行くも何も、僕と始は政略結婚の相手だからね」
「霜月さん……それで良いのですか?」
「良いも何も、僕らはそれを自由に選ぶことは出来ない。これは予てより決められてる、家同士の問題だからね」
「でも……っ、霜月さんは睦月さんの事」
「僕だけが好きでも、ダメだもの。始は僕との結婚も、義務だとしか思って無いもの」

隼さま、と倫毘沙が心配そうにつぶやくけど、僕はにっこりと笑う。

「でも、いいんだ。だって、僕はそれでも始の一番近くに居る権利を得られたんだから」

それで、良いんだ、と自分にも言い聞かせる。
例え始が誰を好きだろうと、僕の事を何とも思っていなくても、僕たちの間に愛は無くても、それでいいのだと。
ずっと、始の側に居られるのだから、それ以上は望まないのだと。僕は、そう心に鍵をかけた。

始はきっと僕の事を好きじゃない。始の好きな人は、海だ。
よく二人で一緒に居るところを見る。簡単な夜食を、海が始に提供している事も。
始が、海に頭を撫でられて少し嬉しそうにしている事も、全部知ってる。
全部知ってて、僕は始の隣に居ようとしている。
本当に、酷い女だと思うよ、僕は。それでも、そこから離れられないんだからどうしようもないよね。

「僕はそれよりも、二人の事を知りたいなぁ」

なぁんて、ちゃかして行ってみたら和南の顔がとても分かりやすく赤く染まった。
その顔を見て、僕も倫毘沙もクスッと笑う。
可愛い、と言う言葉が素直に似合う。僕みたいに、外見だけじゃなくて中身までちゃんと。
だから思う。僕の代わりに、二人が幸せになってくれればいいな、と。

END





絶対、βプロの倫毘沙と隼は従兄弟だと思ったの。
それかはとこ。倫毘沙のおばあちゃんとかお母さんが霜月の生まれなんだよ、きっと。
本家本元は霜月家で、分家って扱いになるのかな?分かんないけど……。

この後きっと始とひと悶着あって、納まるところに納まるんだよきっと。
海とか春とか巻き込んでね。

それから、きっと霜月の血を引いてると仮定すると、倫毘沙もきっと始のファン……。
睦月家大好きだからね、霜月家。

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