優しさに甘えて居たいのです
誤字脱字は放置です。
閲覧前、閲覧後の苦情は受け付けておりません。
作者脳内、流れる様に自然に始隼脳なので、ご容赦願います。
このお話は、陽郁です。
グラビ、プロセラ共に、アイドルとして活動しているが、彼らには特に恋愛についての禁止事項などは無かった。
そもそも、リーダーズ同士家の都合で婚約者であるし、そう言った制約を設けることこそが土台無理な話である。
それに、アイドルと言えどどちらのメンバーも男女混合ユニットであり、恋愛禁止を言い渡したところであまり意味がないのは目に見えているだろう。
プロセラのリーダー、隼に至っては始ラブを公言しているし、もうファンも公認の仲である。
そんな中、夜も深まった頃、コンコンッ、と控えめなノックオンが陽の部屋に響く。
はーい、と陽が出てみると、来た人物を陽は仕方がないな、と出迎えた。
「……陽」
「今、飲み物淹れてやるからちょっと待ってろ」
と、陽がリビングスペースへと案内して暖かい飲み物を持ってこようと側を離れようとした。
その服を掴んで引き留める腕。
「陽……私……」
「はいはい、分かった。側に居るよ」
そうして、陽は隣に座ると腰に腕を回して引き寄せた。
頭を陽の胸元に預けると、優しく梳いてくれる。
何が有ったわけじゃない。けど、ある日、いっぱいいっぱいになってしまうと、こうして陽を頼っていた。
側に居て、何を話すわけでもなく、ただ甘えて居たかった。
そういう時、陽は何も言わず甘やかしてくれて。
静かに二人だけの時間が流れる。
「……そろそろ、寝るか」
時計を見て、陽が言う。
「ごっ、ごめん。こんな時間まで」
「いつも、寝落ちする奴がなに遠慮してんだ」
そう言って、陽は小突く。
けどっ、と声を上げればいいから、と陽の寝室へと連れていかれた。
上半身裸の陽に、抱きしめられて、その温もりを分けられる。
あたたかい。陽の心も、陽も。
その温度に、うとうとと意識が落ちる
「お休み、郁」
「おや、すみ……よう……」
すうすうと寝息を立てる郁に、安堵したようにほほ笑んだ陽は、その体を抱きしめ直して、自分も目を閉じた。
まだ、発展途上である郁の体。しかし、りっぱな男である陽にとっては目に毒だと言っても過言ではない。
手を出す、と言う選択肢は頭のどこかに何時もある。
けれども、こうした穏やかな時間を失いたくないと言う思いもあって、いつも我慢してしまう。
手を出してしまえば、郁がここに訪れることも無くなってしまうだろう。
けれど、最近ますます育ってきた郁の体に何時まで理性がもつのかと、不安になるこの頃である。
そんな夜中の郁と陽の逢瀬は、時間が時間故かメンバーの誰にもバレてはいなかった。
しかし、何れはバレるものである。
ある日の事だった。
「……いっちゃん、どうしたの?」
「ん?なっ、何でもないですよ……」
いつもよりも遅いが、夜の次にプロセラの共有ルームへと降りて来た郁は、夜と顔を合せる。
すると、郁の顔色に夜が首を傾げた。
「何でもないって、顔色悪いよ?具合悪いの?」
「い、いや、そんなんじゃないんです……ただ……ちょっと……」
男の俺には言いにくいのかと、首を傾げた夜は無理しないでね?と言うにとどめた。
海が朝のランニングから戻ってきて顔を出した時も、郁の顔色は変わらず、むしろ悪化したように共有ルームで屍と化している。
「郁?」
「海さん」
どうした、と問いかけようとした海をとどめ、夜が今朝のやり取りを説明すると、海はそのまま寝坊助組を起こしに向かった。
暫くして、海と涙、そして陽が降りて来る。
「おはよう、涙、陽」
「うん、おはよう夜」
「はよ」
そうして、夜と朝の挨拶をかわしつつ、共有ルームに目を向けた二人。
涙はいっちゃん、と郁の側へと駆け寄った。
「どうしたの?」
「ん、涙?んん、大丈夫。ちょっと、ね……」
ちらっと、他のメンバーを見ながら苦笑いする郁に、首を傾げた涙。
これは最終兵器、隼を呼ばなければ解決できそうにもないか?と思っていたところで、陽が動く。
郁のすぐ近くによる。
「郁」
その声は、他のどんな声よりも優しくて。
気が付いたのは、付き合いの長い夜だけじゃなくて、涙もそして海も気が付いた。
陽が、何時にも増して優しい事。
「ん?陽?」
ボンヤリと陽を見上げる郁。その目は、潤んで、今にも泣きだしそうだ。
「ほら、おいで」
「ん……」
躊躇いなくクッションを手放して郁は陽へと手を伸ばした。
それを受け入れて抱きしめる陽。
郁と体を入れ替えて、ゆっくりと腰に手を当てたまま頭を撫でてやる。
小さな声で、痛いのか?と陽が聞けば、小さく郁はうなずく。
「おや?早起きはしてみるものだね」
にこにこと笑っている魔王様……隼がその様子を見て微笑ましそうに笑っていた。
「隼っ、お前自分で起きれたのか?」
「もちろんっ!今日は始とのポスター撮影が有るからねっ!遅刻は厳禁だよ」
「あー、はいはい」
珍しくやる気の魔王様は置いておくとして、郁は今にも眠ってしまいそうに眼を擦っている。
「うーん、今日はいっちゃんおやすみしようか」
「んっ、で、でも……」
「こんな体調で、仕事ちゃんとできるわけないだろ?元気な時にいっぱい頑張ればいいって」
無理すんなよ、と陽に言われてしぶしぶ頷く郁。
その様子に、ニッコリと隼はうなずいて黒月にスケジュールの調整を頼むために電話をする。
結局、他の三人には、分からないことだらけだ。
「隼、郁は大丈夫なのか?」
「うん?あぁ、病気じゃないから大丈夫だよ」
「病気じゃないって……」
「女の子の日、と言えばわかる?」
あぁ、なるほどと納得して、隼を見てから郁と陽の二人を見つめた三人。
そこでハッとする。
「……いっちゃんと陽って付き合ってるの?」
「は?」
「ん?」
涙が思った事を口に出せば、何を言ってるんだ?と陽は顔を顰め、郁は質問が理解できてないのか首を傾げた。
とりあえず、仕事を休むことは決定済みで、陽は湯たんぽを夜から受け取ると、そのまま郁を寝かせに抱えて共有ルームを出た。
夜、一緒に寝ることに危機感を覚えてきているのに、男女の仲、そもそも付き合うと言う思考に至っていない陽。
しばらくして、自分の気持ちに気が付き、そしてあたふたとする陽がプロセラの中で見受けられたとか……。
END
とりあえず、いっくんを甘やかしてくれる陽が書きたかったんだけど……。見事に失敗した感。
また、頑張ろう。
- 148 -
[*前] | [次#]
ページ:
戻る
main