非公式CP


オリキャラでます。




律が今度丸川に入社してくる。

別にそれがどうってことはない。

もう、その恋は終わったものだから。

でも……。


「政宗?どうしたんだ、そんなに眉寄せて。何かあったのか?」

「隆史…いや、お前に話したことあったかどうかわかんねぇけど、俺の初恋の奴が今度会社に入る…部下として」


俺たちの間に基本、嘘や隠し事はなしだ。

それで、昔隆史を傷つけた。もう、傷つけたくはなかったから。


「……それで、また好きになるかもってか?」


泣きそうに歪められた顔。その顔に手を伸ばして頬を撫でる。


「ちげぇよ。ただ、お前が傷つかないかと思ってな」

「そんなことっ……私は政宗に何もなければそれでいい」


昔から、本当に俺のことを思ってくれる最高の女。

俺の妻。俺がダメになった時もあきらめないで最後までいてくれて、そら太も一緒に世話してくれて……、この温もりを知ったら抜け出せない。

俺の心が今更、律に向くことはないだろう。




「高野ぉ!てめぇ、よくもこんな本作りやがったな!!」


会社では結婚してから数年経つけど、結婚前と同じように高野、横澤と呼び合っている。

ただし、戸籍上ではきちんと高野隆史だ。


ここで言い合いをはじめるけど、流石にお互い手を抜かない。

それに、こうして言い合いをすることで、多少のストレス発散になるから別にいい。

だけど、前日から律がこのエメ編に入ってるわけで…。

お互い、言いたいことが言い終わった時に、自分の話題を聞いたのだろう。

木佐、美濃と律の後ろに立って

「営業の横澤だ」

て、挨拶してた。


「……誰だお前、初めて見る顔だな」

「あっ、ハイ。失礼しました。ひと月ほど前に中途入社しました小野寺律といいます」


あぁ、そっか。隆史は知らないんだっけ律の顔。


「これから、色々とお世話になると思いますが、よろしくお願いします」

「……「小野寺」?……あぁ、小野寺出版の一人息子で七光りのやつか」


ド直球に本音をブチまける横澤に少し笑ってしまう。


「高野、とりあえず今回みてーなヘマするんじゃねーぞ」

「その前にてめーの上司使えるようにしとけ」


それで、隆史は行ってしまう。

が、昼は弁当なので会える。

ふーっと、息を吐いて仕事に戻ることにする。

とりあえず、隆史が壊れなくて良かったと思う。



俺より早い時間に終わる隆史は俺を待たずに退社してしまう。

それには理由があるから、俺は何も言わない。

それに、時間が早まるときは迎えに来たりする。

その腕に……可愛い俺たちの息子を抱えて。


仕事が一段落ついて、タバコを一人エントランスの喫煙所で吸ってると、“パパ”という明るい声に、考え事から目を覚ます。


「真能、迎えサンキュな」


真能―マサタカ―、俺と隆史の韻をつないで、真に賢く育つようにって名付けた。

少し、隆史は不満そうだったけど、俺が押し切った。

まぁ、最後には隆史も笑っていたから、いいだろう?


「パパ、お仕事は?」

「もう終わってる。さー、帰っか」

「あぁ」


そうして、真能を腕に抱き、隆史と手をつないで帰路についた。



End



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