依存


大学を卒業して、早数年……。


付き合ってる訳じゃない、けれど、俺の安心できる場所はセンパイの腕の中でした……。




朝、目が覚めて一人じゃない、確りと抱えられている腕とその温もりに安堵する。


「…パイ、あさ、ッス」


起き抜けで声が掠れて、余り出ない。

だから、トントンッと背中に回した手で、センパイを軽く叩く。


「…おはよ…きせ」


ゆっくりと開いた瞳はまだ眠そうで、それでも確かに俺をとらえていた。

センパイの起き抜けの声は、低くて掠れてて、超セクシーっス。


「おはよ、ございますッス」


おはようの挨拶の後、緩んだ腕の拘束から抜け出せば、センパイは寒さに身震いしながら起き上がった。


「朝ごはん、作るッスよ」それにただ頷いたセンパイは、いつものように顔を洗いに行ってしまった。

そこから、またいつもの日常が始まる。




こんな関係になったのはいつの頃からだっただろうか?


あぁ、そうだ。センパイが大学4年、俺が2年の時ッスね。

その頃、お互いの大学で知り合った彼女がいたッス。センパイに彼女がいたッス!

ここ、重要ッスよ!?

何てったって、あのセンパイにッスからね!?


あぁ、興奮して話が逸れたッス。


それを知ってるのも、センパイとは大学行っても、良くバスケしたりとか、連絡とってたから。


その時の彼女に、それが知れたとき、「私とバスケ、どっちが好きなの?」って言われて、困った。

比べるもんじゃないっしょ?趣味と彼女どっちが好きかなんて、どっちも好きだし、第一好きの種類が違う。どっちを取るかって言われたらバスケだけど。

彼女はまた作れても、趣味は簡単には作れねーじゃん?特に俺は。

ましてやバスケは、今は趣味になってしまったけど、昔は真剣そのもの、俺の一番大切なモノだったんだから。


そんなことがあってから、彼女と、つか女と付き合うのが面倒になって、別れた。


数日後ぐらいに、センパイの家に行って別れた事を告げたら、センパイも別れたらしくて、お互いに苦笑したの、覚えてる。


その時、ふっと感じたのは、安心感。

彼女といるときよりも、リラックス出来る環境に多少なりとも驚いたけど、まぁ、センパイッスからね!で、納得したッス。


それからの俺の行動は早かったッス。

センパイと居れば安心できるなら、一緒に住みたいと、同居を申し込んで、まぁシバかれたけど、了承貰えた。どうせなら寝るときまで安心感を味わいたくて、一緒に寝ようと自分とセンパイのベッドの他に、キングサイズのベッド買って置いた。

まぁ、無駄遣いすんなって、案の定シバかれたけど、現在進行形で使用してるし、無駄じゃなかったッス。


時々会う森山先輩や小堀先輩達には、知られたとき苦笑しか返ってこなかったけど、きっと誤解してるんだろうなって見てとれた。


センパイと俺の関係はプラトニックッス。

ただ、同じベッドで眠って、同じ空間で過ごしてるだけ。

何があるわけでもない、そこに恋愛感情なんて無い。


異常だと言うなら、それでいい。

他人の目なんて関係ない。

ただ俺は、センパイと一緒にいたいだけだから。


「黄瀬、今日の卵、何か焦げてんぞ?」「すみませんッス。考え事してたら焦がしちゃいました」

「考え事?」

「考え事、ってより回想ッスかね?昔のこと思い出してたッス」

「ふーん、あっそ?」


自分から聞いておいて何スかそれーっ!?

と、言う俺の言葉を聞かず、センパイは頂きます。と朝食に手を付け始めた……。


END


口調ログアウト



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