御誕生日おめでとうございます


「センパイ!誕生日おめでとうございまっす!」

「おぅ、ありがとな」


夜の夜中、一番始めに届いたのは黄瀬からのおめでとうメール。

そんでもって、今日一緒に登校したいって喚いたから、わかったと返事をして寝た。

朝、こんな早くから待ってるなんて思わなかったが、メールを貰うより直接聞いた方が嬉しかった。何て、調子に乗るから黄瀬には言ってやらない。


「行くぞ」


そう言えば、黄瀬は後ろから元気に返事して着いてくる。


「あっ、センパイはい、コレ」


誕生日プレゼントッス、と差し出されたのは、ブランドのロゴが入った箱。


「おい黄瀬ぇ、」


思っていたよりも低い声が出る。


「はっ、はい」

「俺、高ぇ物は要らねぇっつったよな?」

「言われたッス」

「なら、」「でもっ!」


受け取れねえと、言おうとした矢先、黄瀬は声を張り上げた。


「俺が先輩に持っていてほしいものだからっ」


受け取って下さい、と泣き出しそうな顔をしたので、仕方ねぇなと黄瀬の頭を乱暴に撫でながらその箱を受け取った。

開けてみると、中身はゴツいけどシンプルな時計で、箱だけ鞄に仕舞うと、腕につけて見せる。


「部活中はつけられねーから、今だけな」


ほら、どうだ?と腕を掲げて見せると、黄瀬はかっこいいッス、と笑った。

その笑顔が見れただけで幸せだと感じる、今日一番のプレゼントだなんて、やっぱり調子に乗らせるのは面倒だから言ってやらない。





(「笠松、その時計どうした?」

「あぁ、黄瀬に貰った」

「へぇ・・・ぇぇえええ!?」

「何だよ?」

「その時計幾らするのか知ってんのか!?」

「知らねぇよ、高いってこたぁわかんだけど」

「〇〇万だぞ!?」

「はぁ!?」

「黄瀬ってあり得ねぇ」

「同感だ・・・シバく」



その頃

「センパイに受け取って貰えて良かったッス♪前々から、あの限定モデル、センパイに超似合うと思ってたんスよねぇ〜♪」

何て、上機嫌の黄瀬が目撃されていた。)




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