ひとりぼっちの君へ


誰にも言わないから、私と今吉だけだから、と言う森山に仕方なく了承し、連れて来られたファミレス。


「で、何でいなくなったりしたんだ?その子供なに?その指輪、結婚したのか?」

「……解らないッスか?この子は、私の子ッス。結婚は……してないッスよ」


ただの男避けと笑う。

結婚なんて出来るわけがない。したとしても、愛の無い生活にどれ程の意味があると言うのか。


「解らないから聞いてるんだけど?」

「…笠松先輩の子ッス」


伏し目がちに左に座る我が子の頭を撫でる黄瀬。

そんな黄瀬にふと、今吉は訪ねる。


「双子なんか?えらい大変やろ」

「いえ、こっちの子は知り合いの子供ッス」


預かってるッス、と苦笑い。

そう、知り合いの子供だ。ただ、誰の子と勝手に名前を出すのは憚れる。


「黄瀬、笠松にそのこと」

「言ってないッス。何度も、言おうとしたッスよ?その度に、会うの断られて会えなくて、その内に別れを切り出されたッス」


悲しげに笑う黄瀬の目の前で、森山は目を見開いた。

これまで、笠松の側からの話しか聞いておらず、別れたのは黄瀬のせいばかりだと思っていたが、この様子だとどうやら違うみたいだ。


「一度、緑間っちと高尾君と私で話したことあるッス。その時、キセキとの関わり方がどうのって言われたッスよ?けど、キセキの集まりで断るのは月一回、私が先輩を誘って、用事あるって断られるのは、月に何度も。それなのに、非難を、否定をされるのは私の方ッス。もう、疲れちゃいました」


だから、あの日。別れを切り出されたあの時、素直に受け入れた。

森山は黄瀬がもっと抵抗するものだと考えていたし、すがり付いてくるものだと思っていた。それが、ぱったり連絡も取れなくなって、拍子抜けして一周回って心配になった。


「だから、否定も罵声も、バッシングも受けたくなくて、モデルも何もかも捨てました」


何もかも、の中には恋人であった笠松も、先輩の森山も、黄瀬を非難する相棒組も、相棒組と付き合うキセキも入っているんだろう。


「黄瀬、」

「今更、味方なんて要らないッス」

「……っ」

「本当に苦しいときに、手を差し伸べてくれなくて、こんな今更になってから謝罪も、その手も必要無いッスわ」


森山を見据えるその目は、冷たく澄んでいた。

今吉は、何も言わず泣きそうになっている森山の背を撫でた。


「ふはっ!こりゃどういう状況だ、涼花?つか何でサトリと一緒なんだよ」


そんなどんよりとした空気の中、花宮の声がパッと響いた。まぁ、実際雑音の中から、スパッと聞こえてきただけだが。


「まー」

「あ?何だ、心」


黄瀬の右側にいた子供を花宮は抱き上げた。

その姿がやけに染み付いている。


「何や、そん子お前の子かいな」

「そうだよ、バァカ」


母親、と言う立場になろうが、花宮の口癖は、口の悪さは変わらない。

そんな花宮の腕の中できゃっきゃっと心は笑う。


「あ?お前、顔汚しすぎだろ汚ねぇな」


黄瀬の鞄を勝手に漁り、ウェットティッシュで口の周りに付いた涎なんかを拭いてやる。


「んで、話は終わったのか?」

「あっ、はいッス」

「なら、行くぞ。予約してあるのに遅れる」


それを言うと、会計用紙を持って先に行ってしまう。


「あっ、待ってくださいッス!」


バタバタと慌てて支度をして、子供を抱き上げると、それじゃ、と黄瀬は花宮を追っていってしまった。


「私、黄瀬のこと何にも見えてなかった…いや、見てなかった…」

「そうやな。自分等の目線で、物差しでしか見れてなかったな」

「……ごめん……、ごめんな、黄瀬ぇ……」



END



唐突に始まり、唐突に終わると言うね!


笠松(お腹の中真っ黒で独占欲強い)が黄瀬を独占したくてボッチにしていく作戦の途中で黄瀬が妊娠しちゃって、産婦人科でたまたま合った花宮と逃げちゃったお話。


花宮は個人的に黄瀬に絡ませたかった。花宮の相手は、一晩限りの彼。私は木花が好きだ!

心(シン)君の由来

花宮 真→名前一文字だし子供もそうしよう。

木吉 鉄平→鉄心って呼ばれてるよね。

真もシンって読むし、心(シン)で!

こんな感じ。


今森♀は個人的な趣味です(キリッ)


コレとはまた別に、森♀←笠←黄♀前提の肉体関係ありな笠黄♀で、逃げ出した黄♀ってのも面白そうって思う



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