欲求不満


概要→桐横が、ただ会社で致しているだけ。








部数会議の後、横澤をそのまま会議室へ連れ込み、鍵を閉めた。

「桐嶋さん、あんた何考えてんだ?」

カーテンの閉まった薄暗い室内では、桐嶋の表情を横澤は知り得ないだろう。

「いやー?最近、忙しくて一緒にいる暇もなかったなぁって思ってな」

「はぁ?」

横澤は、意味が解らないと言うようにため息を吐く。
桐嶋は、横澤の近くの椅子に座ると、そのまま横澤の手を引っ張った。

「……」

「……」

どちらも、何も言わずただ、桐嶋が横澤に抱き付いていた。

暫く、そうしていた桐嶋の手が横澤の体に少しずつ触れ出すまで…。



「!?桐嶋さっ、ッッ!?」

スゥーっと、桐嶋の手が横澤の体を滑るたび、彼の体が震える。
弱い腰や項等を往復するように撫でられれば、特に体は跳ねた。

「ちょっ、やめろって、おい!」

「横澤」

抵抗する横澤の耳に届く、不機嫌ではないけれども、低く艶のある余裕の無い声。
それに、酷く体は跳ね、固まった。

「ヤらせろよ」

雰囲気ぶち壊しだろうが何だろうが叫びたかった横澤は、桐嶋の初めて聞くその声に抵抗をすべて奪われてしまう。

「…ッ」

声を出そうにも、耳を嘗められ甘咬みされると、何も言えなくなってしまう。

自分は、こんなにも快楽に弱かっただろうか?

そう考え、少しショックを受けながら、横澤は最後の虚勢を口にした。

「早く、終わらせろよ?」

その言葉は予想外だったのか、はたまた横澤からそんな言葉が聞けるとは思わなかったのか、桐嶋は驚いた顔を一瞬し、続いて顔を綻ばせた。

「リョーカイ」

クスッと笑い、どちらともなく口付ける。
それが、この行為始まりの合図となった…。


早く、と言われた桐嶋は、早急に事を進めることにする。

横澤のスラックスを下着ごと脱がせると、自分の上に座らせた。

「ひぁ…っ、…ふ、ぅ!」

予め、用意してあったのか横澤はローションのような冷たさを感じ、ギュッと反射的にしがみつく。
不安定な状況も相まって、僅かな抵抗も出来ず、桐嶋にピッタリとくっついていた。

「ははっ、やっぱり暫くしてないからキツいなぁ」

「うるさい!だまっ、んぁ!」

グリ、と桐嶋は横澤が指の挿入の刺激に慣れただろう頃を見計らい、動かされる。

「会議室とは言え、聞こえないとは限らないからな、しっかり声は押さえろよ?」

「うるさっ、……はッッ!」

桐嶋はクスクスと横澤の様子を楽しみながら、指を進めて行った。
横澤は、その一つ一つの刺激に桐嶋に抱きつきながら耐えて行く。
それでも、横澤がこんな行為を許してしまえるのはやはり、桐嶋だからだろう。















高野side

横澤に新刊の事で用があって、探していると少し前に終わったジャプン編集から情報を聞く事が出来た。
今も留まっているかどうかは解らないが、仕方ないのでその会議室へと足を向けた。

「………ぁっ、……」

そこで聞こえてきた微かな、聞いた事のある声。
それは、普段なら熊のように吠えるはずの、友人の声。

「は?」

ドア開けようと僅かに覗けるその部屋の小窓から、中を覗き見た。
すると、最近友人と仲がいいと噂されていたジャプン編集長、桐嶋さんの上でよがる横澤の姿が見える。
俺の手は、その取っ手に手を掛けたまま、止まった。
俺が、目を見開くと同時に、横澤は

「っ、…んぁああ!!」

と、声を出して、背中を扇情的に反り返らせ、彼の人の上で達した。
その姿を、満足げに見ていた桐嶋さんが俺に気が付く。
そして、横澤がぐったりとしている所で、横澤に気が付かれることなく俺に向かって人差し指を唇に当てた。
その姿に、ふう、といろいろな感情が入り混じったため息をこぼし、その場を後にした。
だけど、最後に見た横澤の姿にすっかり煽られた俺は、今夜どうやって思い人の彼を部屋に呼び込むか、がさくする。
幾らアイツと関係があったとはいえ、煽られたものはしょうがないと、自己完結した。

END

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