メリーバッドエンド


メリバをイメージしたら、こうなった【笠黄♀】



黄瀬が、モデルの仕事中、突然降ってきた照明器具で怪我をした。

運良く命は助かったものの、顔にも、体にもその傷は残るらしい。

もう、モデルは続けられない。

目覚めたとき、黄瀬はそれを聞いて暴れたそうだ。

けれど、今病室の目の前にいる俺は、背筋がゾクゾクとして収まらない。


「黄瀬」


病室に入り、黄瀬に声をかける。

黄瀬は、ビクリ、と体を震わせながらこちらを向いた。

しかし、俺の姿は見えてないだろう。何せ、目元まで包帯で覆われている。


「その声……」

「あぁ、笠松だ」

「センパイ、何で!?」


包帯が、涙で濡れていくのが解る。


「何で来たの?」

「後輩が、怪我をしたって聞いてな」

「…私、センパイだけには、見られたくなかった……っ!!」


頭を降り、顔を覆い隠す黄瀬。


「黄瀬、」

「膝を故障して、バスケも出来ない、唯一の顔も失って、モデルも出来ない、私、どうしたら良いの!?私の価値なんて無くなっちゃったのに!!」

「黄瀬!」


笠松の張った声に、黄瀬は大人しくなった。

が、状況は全く変わってない。


「私、もう何にもない。もう、死んじゃいたい」


ここで、普段の俺のキャラなら、バカなこと言うなって怒鳴るのが普通なんだろうな。けど、誰がそんな勿体無いことするか。


「なら、その命俺に寄越せ」

「……えっ?」

「何にもないんだろう?お前にはもう」

「……」

「俺は、お前がただの“黄瀬 涼子”になる日をずっと待ってた。どんな形であれ、な」

「それ、」

「誰かの、何かのお前であるなら、要らない。俺だけの、お前が欲しかった」


黄瀬の、目に見える部分が赤く染まっていく。

それが愉快で仕方がない。俺に反応する黄瀬。俺だけの、黄瀬。


「なぁ、黄瀬」

「は、い?」

「俺が欲しいか?」


黄瀬は戸惑ったように、首をかしげた。


「ただ、一言“欲しい”って言えば、俺は生涯お前のモノだ。お前以外を愛さないし、目移りしない。ただ、お前だけを愛してやる。どんな姿になっても、どんなお前でも」

「どんな、私でも?」

「そう、どんなお前でも。俺のモノだけである限り、愛してやる」

「センパイの、モノである限り……」

「もう一度聞く。黄瀬、俺が欲しいか?」

「…ほ、しい。センパイが、欲しい!」


黄瀬の声を聞いた瞬間、ニヤリ、と笑った。

そして、黄瀬を抱き締める。


「今から、お前は俺のモノで、俺はお前のモノだ」


愛してる、涼子。そう囁けば、黄瀬もギュッと抱き付いてきた。


「幸せにしてやるよ」

「せん、ぱい」

「俺の大切なリョーコ」


END


メリバ、を目指していたんだが、どうしてこうなった?

先輩が、ヤンデレ!っぽい。



- 110 -


[*前] | [次#]
ページ:

戻る
main