姫と出会った人々と
「ごめんね、真ちゃん」
そう言って、高尾は悲しく笑った。そして、ゆっくり彼女の意識を奪った。
ただ、見せたくないだけだった。戦火に飲まれていく彼女の自国の姿を。
「何故だ、高尾・・・」
「俺は、鷹の目だから」
「鷹の、目・・・?」
鷹の目、すべての善悪を見届ける一族の総称。
語り部であるが、語り部ではない。語り部は国を渡り歩くが、鷹の目は動かない。
それは、鷹の目が一つの国の主であるがゆえに。
が、一般に鷹の目がどの王国なのかまでは把握されていない。
知っているのはごく一部だろう。この国は、語り部たちにとっても特別な国なのだから話すはずも無く。
その、語り部の王が鷹の目の、高尾、と言う号を受け継ぐ長だ。
「知らなくていいよ・・・大丈夫、真ちゃんは、真ちゃんだけは守ってあげる」
「た、かぉ・・・」
「お休み・・・良い夢を」
ずっしりと、重くなる緑の彼女の体。
あの、姉妹の仲で一番綺麗だと思った。
そして、努力家ってことも頑張り屋だってことも知ってる。
そんな彼女だから、好きになった。そんな彼女だから、これから起こるだろう悲劇にあわせたくは無かった。
だから、呼び寄せて、奪った。あの国から。
きっと、彼女は望まなかっただろう。きっと、彼女は悲しむだろう。他の兄弟を何故助けてくれなかったのかと。それでも、どうしても、彼女だけを助けたかった。
「・・・和成、真姫は?」
かつかつ、と音を立てて歩いてきた宮路に高尾はちょうど良かったと声を上げる。
「おぉ、宮地さん。ちょうど良かった、今ちょうど終わったんで真ちゃん運んでくれます?」
「・・・お前が運べよ」
「いやぁ、流石に無理があるっしょ」
彼女は高尾より身長が高い。それがコンプレックスでもあるようだけど、凛としていて素敵だと思っている。
それでも、運んで行くことは出来る。出来るけど、これ以上彼女を傷つける本人に触れたくは無いだろう。
「あの、部屋に連れて行ってください」
「・・・それで良いのか?」
「何のことッスか、宮地さん。良いも悪いも、もう彼女の部屋はあそこしかありませんよ」
王の、大切なモノを入れておく、鳥篭。そこが彼女のこれからの世界。
彼女がそれを望まなくても、捕らわれてしまった鳥に、自由なんかもう、あるはずが無い。
「愛してる、真ちゃん。だから、さよならだ」
鳥篭に、飼い殺しにして置く主になど会いたくないだろう、と高尾はその髪を人なでして宮路に任せた。
「・・・大坪が、対戦の後について相談したいって探してたぞ」
「あっ、まじっすか。じゃ、行かなきゃですね、じゃあよろしくお願いします」
やはり、悲しく笑った高尾は、緑の少女に二度と会わないことを決めたのだ。
彼女の意思も、何も確認することも無く。
そんな感じのヤンデレちっくな王様とツンデレな姫君の話をください。
緑間 真太郎
→女体化して(re・・・。帝光の元第二皇女。真姫と呼ばれていた。秀徳の高尾とは小さい頃から、仲がよく、よくツンデレて居ながら、遊びに来ない?などのお誘いをもらったら必ず行くほど。帝光侵略が始まる前に、高尾によって秀徳に呼び寄せられるが、その時に囚われてしまう。囲い部屋、と言う部屋で深く、深く眠っている眠り姫。
高尾 和成
→秀徳の今の若き王様。高尾と言うのは王の号であり、和成が名前。鷹の目、と言う一族の長で全国の語り部の王。視野が広く、少し特別な力が使える。その力を応用して、緑間を自国が滅び落ち着くまで眠りにつかせた。緑間が小さいときから大好きで、彼女のことになると少し狂う。
(ほんの作者の小話)
いや、どっかにさぁ・・・王族の話も入れておきたいなぁって。でもさ、山賊×姫っていう設定でも良かったなぁって思ってる。城から逃げ延びて、ボロボロになった姿で山賊に気がついたらさらわれてて、ここはどこなのだよ?とか言って。気がつけば山賊に馴染んでるけど、不器用すぎて逆に高尾と言うお守りがついたとかうまい。気が向けば、書こう。いや、誰かに書いて貰いたい←
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