姫と出会った人々と


「お前、そこの草むしり終わらせておくんだよ!終わらなかったら、飯は抜きだからね!」


毎度毎度変わり映えの無い光景。

ここの当主自信が下々を弾圧するから、その弾圧されたものは更に弱い立場のものにつらく当たる。

何度も、そう何度も福井はこの地主に警告してきた。治安が悪いこと、このままでは何れ民さえも居なくなってしまうということ。現に、この地方の住人は圧政に耐え切れず年々数を減らしている。

それでも、民あっての領主だというのが解からないのか、領主は豪遊、わがままの限りを尽くしてきた。

このままでは、領地を剥奪の上、お取潰しの末路しか待っていない。

まぁ、そんなことは知ったことではなかったが。


「・・・紫?」


お前、と呼ばれていた存在に目を落とすと、その髪色の珍しさに目を留めた。

よく知っている、あのおっとりした子供みたいな姫を思い出したからだ。


「はいはーい。飯抜きとかありえねぇし。ちゃんと終わらせるって」

「口答えするんじゃないよ!!」

「口答えなんてして無いじゃん、何も言わなかったら言わないで怒るくせにぃ」


むっとした顔をしながら、黙々と手を動かしていく彼女。


「まさか、だろ」


幸い、彼女は福井に気がついておらず、福井はそのまま屋敷の中へ足を踏み入れた。

領主に最後通告の通達後、どうしても気になって仕方がなかった、頭から離れなかった紫頭の彼女を探して庭に出た。


「こんなの、終わるはずねーじゃん。あーもー、めんどくさ。お菓子食べたいなぁ」

「食うか?」

「食う!!いただきまーす」


あの、姫が好きだったお菓子。何時の間にか、持ち歩くようになってしまっていた。

その、お菓子を差し出すと、彼女はさくさくと食べ始めた。

が、一本。大して量も多くないそれは、直ぐに彼女のお腹の中へ消えてしまう。


「足りねーしぃ!福ちん、もっと!!」

「もうねーよ。つか、やっぱりお前敦姫か」

「うん、そうだよー?」


薄汚れながらも、汚れず、変わらない彼女に、福井はため息を吐きながら笑った。


「何でこんなところにいるんだ?」

「うんとね、城から出て取り合えず走ってたら皆とはぐれて、行き倒れてたところ救って貰った?」

「何で疑問系なんだよ、おい・・・」


あーもう、とため息を吐き、自分の頭をぐしゃぐしゃかき乱した福井は、彼女の頭をなでる。


「もう少し待ってろ。迎えに来てやっから」

「んー、福ちんが?」

「あぁ、俺がだ」


福井が頷けば、ぽけっとした、眠そうな彼女の顔が少しだけ輝く。


「うん、じゃあ待ってるねぇ」


約束、と福井と彼女は小指を合わせて、切った。

幼い頃、もう一度会おうと約束したときのように。







うん?そうだよ、アタシが書く福紫なんて、こんなものですだよ。

福井さんの口調がわからない・・・。はい、で一応警備隊×姫って感じなんですがね。

どこいったべな。


紫原 敦

→女体化して(re・・・。帝光の元第八皇女。敦姫と呼ばれていた。ゆるい。末っ子だが、一番胸が大きかったり身長が高かったり、ある一部の姉さま方の妬みの元。だが、末っ子ゆえに可愛がられてきたし、元々の性格がゆるいので気にした事は無い。


福井 健介

→王室警備隊、隊長補佐。地方の領主や貴族なんかも監視している役目を持っている。幼い頃、迷子になっていた紫原と出会ってから、なぜか懐かれた。と、思っていたら何だかんだ言って、紫原に順応してる自分がいたって落ち。まいう棒常備していたり。



(ほんの作者の小話)

何ていうんだろう?むっくんのお話って、シリアスにならない気が・・・。うん、する。でもさ、でもさむっくんが悩まなくても福ちんが悩んでくれるよね!?ねっ?^^

もっとさ、鞭とか振るわれてる現場とかでも良かったんだけど、その描写をするのが・・・面倒だったとかじゃない、よ!!決して・・・うん。きっと、言い切る。←



- 115 -


[*前] | [次#]
ページ:

戻る
main