カメラマンとモデルでパロディ7


「りっこさぁあん!」

と、後ろから抱きつく黄瀬。その勢いに負けて転びそうになるのを何とか堪えた相田。

「ちょっと、黄瀬さん!?」

いつもいつも、とワナワナ拳を振るわせる相田に、ニッコニコと笑う黄瀬。
対照的な二人。出会ったのはつい最近のことだ。火神と仲良くなった黄瀬は、誠凜に顔を出す機会も増えた。
そうして、出会ったのが相田だった。黄瀬は、年上の女の人で親しい人はいなかったので、すぐに相田に懐いた。
他校の教師だとか言うことは、この際黄瀬にとっては些細な問題だ。

「あなたねぇ!私が転んだらどうするのよ!?」
「その時は、アタシが支えるッス!」

アホか!と頭を叩かれた黄瀬だが、それでも嬉しそうだ。
基本、構ってちゃんな黄瀬は、どんな形であれ、自分に反応されることが嬉しいのだ。
だから、モデルもやっている。

「何だ、また来たのかよリョーカ」
「えっ、ハルカっち何今日冷たい!」

うわぁん、と泣きまねをして相田の肩に顔を埋める黄瀬。っちって付けるな!と文句を言いながら、ため息を吐いた火神。
その間に挟まれて相田の顔には、青い立てジワと笑顔が浮かんでいた。

「いい加減にしなさいよ!」

ガツン、と黄瀬と火神を殴った後、相田は携帯を取り出すとどこかへメールをしていた。

「・・・何でアタシまで」

とばっちりを受けた火神は、少しずぅうんと沈む。
その様子に、黄瀬はごめんなさいッス、と苦笑を浮かべていた。殴られたところを手で摩りながら。

「黄瀬さん、今、迎え呼んだから。大人しくハウスしなさい」
「きゃうん、って、アタシは犬ッスか!」
「犬のほうが賢いわよ、この駄犬!!」

酷い!と泣き喚く黄瀬。フンッ、とそっぽ向きながらも、黄瀬の頭を申し訳程度に撫でる相田は、所謂ツンデレと言う奴である。
そうして、暫くしているうちに、体育館と校舎を繋ぐ廊下側の入り口が開いた。
入ってきた人物を見て、火神は沈んでいた空気を一転させ目を輝かせて突進していく。

「センセー!!」
「うわっ、とお!?」

勢いづいた火神を受け止めきれず、日向は入ってきた途端にひっくり返った。
あちゃー、とその姿を見て黄瀬も相田も頭を抱えた。が、その口元は笑っている。

「いってて・・・、大丈夫か火神」
「うぅ、大丈夫だ、です・・・ごめんなさい」

真っ赤になって、日向の胸元に顔を隠した火神。日向はしかたねぇなぁ、と言うように火神の頭を撫でてから、そのまま上半身を起こす。

「熱烈に愛されてるわねぇ、日向センセ?」
「うるせぇよ、相田先生」

笑顔で、ニコニコと表面上見つめ合いながら、とてつもなく火花が散っている二人。
が、そう見えていても実際二人の心境はこの上なく穏やかだった。

「先生方、仲が良いんですね」

突然の声に、相田も日向も火神でさえ、ひゃあ、などと変な声を出した。それを、少し遠くから見ていた黄瀬は一人苦笑した。

「く、黒子君!驚かさないでよ!」

あー、びっくりしたぁ、と可哀想な・・・げふん・・・胸を押さえて相田は息を吐いた。

「付き合ってるんですか?」

そう、思いもしなかった言葉なんだろう、相田と日向は同時に噴出した。

「誰が誰と付き合ってるって!?寝言は寝て言え黒子!」
「そうよ!私と日向君はただの幼馴染!それに」

私、彼氏いるし、相田がそう言った瞬間、体育館は阿鼻叫喚に包まれた。
密かに、独身で美脚美人の相田は生徒たちにも、独身の教師たちにも人気がある。まぁ、有名な彼女の父親のお陰で直接彼女にアタックする男性は表立っていないが。

「はぁ?お前、吐き合ってる奴いたのかよ?」
「あれ?言ってなかったっけ?パパ公認よ?」

にこっ、と笑った相田の顔は少し、赤く染まっている。
それが、可愛くて思わず黄瀬は可愛いっ!と後ろから再び抱きついて、相田にシバかれた。

「今、彼はアメリカだから遠距離だけどね」

アメリカ?と首を傾げる。黄瀬さんと黒子君なら知ってるんじゃないかしら?と言う台詞に、黄瀬と黒子は顔を合わせて首を傾げた。
はてさて、自分たちの知り合いにそういった人はいただろうか?と。

「その人ね、君たちの年上で名前を、

虹村 修造

って言うのよ?」

そう言って、笑う相田に対し、黄瀬と黒子はうそぉおおおおおお、と奇声を上げていた。
もちろん、黒子の表情筋は僅かに変わっただけで、誰も動いたことに気がつかなかったが・・・。
 
[newpage]「リコさんもハルカも取られたぁあああああああ!!!!!」

笠松の前で、泣き喚きながら机に突っ伏す黄瀬。
その声量にうるせぇ、と何度笠松が言っても聞きはしない。

「だって、だってぇ!!」

事の発端は、相田と火神と今日遊ぶ約束をしていたらしい黄瀬。だが、急遽虹村が一時的に帰国することになり、相田にドタキャンされた。それはまあ、仕方ないと黄瀬は受け止めていた。が、火神はその稀有さからか、黄瀬と遊ぶことがどこからか漏れて、黄瀬の目の前でキセキに攫われた。
ぽかーん、と一人になった黄瀬は、こうして笠松の職場まで戻り、笠松の前で寂しさを泣き喚いているわけだ。

「本当に・・・あいつ等、迷惑だ」

ぐったりとした笠松は、最終手段だとポチポチとメールを打った笠松は、まだ泣く黄瀬の頭を撫でる。

「お前は、泣きすぎなんだよ。今日一日付き合ってやるから、泣き止め」
「えっ!?」

バッと顔を上げた黄瀬。その顔は、化粧が崩れたり目元が赤くなっていたりと色々酷く、モデルにしては見れる顔じゃなかった。その顔をさせているのが、自分ではなくほかの人間だと思うと、笠松はムッとなったが、それを億尾にも出さず、顔洗って来い、と黄瀬を立たせる。
その間に、笠松は返って来たメールに目を通した。

『from 順平
本文  情報ありがとう、幸兄。迎えに行って来るわ』

まぁ、日向が行く頃には火神の機嫌はMAXに悪いだろうがな、と経験者である笠松は思った。
黄瀬も、一度笠松の後輩である早川と中村と出かけるときに、その二人の目の前でキセキに攫われた。
その後、早川と中村から連絡をもらい、黄瀬にメールをして場所を特定し、迎えに行くと、黄瀬の機嫌は不機嫌MAXに悪くて、その後数時間べったりと笠松から離れた無かった。
火神がどうなるかはわからないが、きっと大変だろうな、と笠松は一人笑った。

「ユキさん、何笑ってるっすか?」

むっ、とした表情の黄瀬が笠松の顔を覗き込む。
少し動いてその唇に、触れるだけのキスをすると黄瀬の方がバッと体をそらせて距離を取る。

「順平は今頃大変だろうなって思ってただけだ」
「どういう意味ッスか、それ?」

まるで解かってない様子の黄瀬に、笠松は笑うだけで何も返さない。
そんな笠松に、ねぇねぇ、とすがる黄瀬。
やった本人に自覚が無いのは困り物だが、あえて教える必要もない。
面倒だったが、それ以上にいとしく思える。
黄瀬だから、恋人だから、恋している人だから・・・。

エンド

フラグ、回収忘れたー!ww(戦国/武将/数え歌風に言ってみた←)
ネタ探さないとなー

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