四番隊の仕事は治療が主になり、それは戦闘時には後方支援部隊として動く。入ったばかりの新米隊士にすぐ虚討伐任務につくことはなく大体が四番隊の管轄である救護詰所に配属される。私もそのひとりだ。日によって多かったり少なかったりするが怪我の内容は軽傷なものばかりだ。

そんな日常を過ごす中で顔馴染みの人が出来た。

「また怪我されたんですか。六車隊長」
「いつも悪いな」
「いいえ」

最初外来に来た時は私みたいな新米が隊長格の方を手当てしてもいいのか慌てたが六車隊長曰く、治れば誰でもいい、だそうだ。まあ、そうか、と素直に納得した。大きな怪我ではないのでいつも簡単に済ませる。

「これで終わりです」

絆創膏を貼る。小さな怪我を軽視しないことは大切だ。しかし六車隊長は気にしなさそうなのに、と疑問に思う。するとガラリと勢い置く扉が開かれた。

「けんせーい!怪我だいじょーぶ?」
「白!勝手にお前入ってくんな」
「えー!拳西のケチィ!」

診察室でうわーんと子どものように叫ぶ久南副隊長に頭を抱えた六車隊長。九番隊も色々大変そうだ。

「ねぇ!聞いてよ!拳西ってばね、後輩たちの修行に付き合ってかすり傷しか負わないんだけど、っむぐ!」
「黙れ!そしていい加減帰れ!」

ぽいっと診察室から久南副隊長を追い出す。二人のやり取りは言い争いに近いものだったが、なんだか楽しそうだった。外で診察室の扉をガンガンと叩く彼女を見兼ねてか椅子から立ち上がった。

「わるいな。うるさくしちまって」
「い、いえ」

私としては副隊長の言葉の続きが気になる。後輩たちの修行の相手になり、かすり傷しか負わない。けど、そのかすり傷も負ったことを隠したい、とかなのかな。

「また来る」
「いつでも、お待ちしてます」

こんな穏やかな時がいつまでも続けばいい。四番隊にいてまだ数ヶ月だが、もうすでに平和ボケしてしまっている。でも、こんな毎日が嫌いではない自分もいた。