あの時に出会った五番隊の隊長。平子隊長。平隊員が隊長格の方と話すなんて畏れ多い。それなのにあの時の私の態度はとても悪かっただろう。しかもあれが初対面だった。ああ凄い印象悪くした。時を戻せるなら十一番隊の人たちを追う前に戻して欲しい。次に会ったらもう一度お詫びしよう。はあ、と溜め息ばかりを吐いていると先輩がどうしたの?と話を聞いてくれた。

「平子隊長かぁ」

二言目にはかっこいいよね、と女の顔になっていた。私はかっこいい、かっこ悪いの話ではなくて、隊長に対して悪い態度をとってしまったことを話していたのでその発言に驚きが隠せなかった。

「優しいし面白いし強いし!」
「そうなんですか…」
「千綾ちゃんってあんまりこういう話に興味ない?」
「そんなことないですけど…」

私はまだまだ新人なわけで、そんな簡単に誰に興味あるとかないとかも考えられないだけだ。私も先輩ぐらいになればそういう話の一つや二つしているのかもしれない。苦笑いを一つして私は業務に戻った。


お昼休憩に入り救護詰所から出て近場のご飯屋さんへと向かう。ずっと引きこもっていたので太陽が眩しく感じられる。目がちかちかしていると、千綾やんと声をかけられた。振り向くとそこには平子隊長がいた。慌てておつかれさまです、と挨拶を交わす。

「あ、あの平子隊長…!この間は申し訳ございませんでした!」

この機会を逃したらもう会えない勢いで私は頭を下げた。

「なんのことや?」
「私、隊長に助けて頂いたのに、強く当たってしまって」

本当にすいませんでした!と頭を下げると思い切り笑われた。恐る恐る頭を上げるものの何故笑われたのかわからなかった。

「そんなんもう気にしてへんで。いつの話しとるんや自分」
「で、でも私…!」
「せやから、俺はもう気にしてへんって言うてんねや。しつこいで」

頭をがしがしと撫でられ、にやにやと笑われる。先程までうだうだと考えていた自分がバカバカしく思えてきた。

「そんな俺に気ぃ使わんでええで」
「そんなことはできません」
「硬いやっちゃなあ」
「普通です」
「十一番隊と言い争っとった千綾も俺は好きやで?」
「忘れてください!」

隊長、なのに隊長らしくない。変な人。それが私が平子隊長に抱いた気持ちだった。