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少し河沿いを下って薬草を採りに行った霧の薄い夏の日。






私が家に帰ると、扉を開けたすぐ目の前に保護者が二人待ち構えていた。



「……え、なに、どうしたの?」



そう問えば、待ってましたとばかりに一人が口を開いた。


「何ってお前、手紙だよ手紙!手紙が来たぞ!」


跳ねた声で捲し立てる褐色の男は泣き谷に住む一人、医師のアオ。本名をアルシャド。
私の保護者の、うるさい方。



「ほら、アルシャド。シャラが戸惑っているだろう。シャラ、兎に角中に入りなさい」



呆れたようにアルシャドに声を掛けた紅茶色の髪の男は呪師のラン。保護者の過保護な方。


はぁ、と訝し気に見遣る私は中に促され、
とりあえず大きな窓の下にあるソファに座った。

この窓は河と反対の壁にあって、聞けばホグワーツの天井と同じ原理の魔法で景色を映し出しているらしい。


席について何事かもう一度訪ねると、
またもアルシャドが手紙だよ!と言った。


手紙……?と思考を結びつけようと頑張っていると、ランが一枚の便箋を差し出した。



「これ?…………えッ?!!これ、これって……、」



手紙を何度も読み返す。

三回も四回も手紙とラン、アルシャドの顔を行ったり来たりしていると、ハッハッハと笑い声が聞こえた。


声の方を振り向けば、いたのはここの家主である賢者。シギル老師だった。


「老師さま!」

「おかえり、シャラ」

「ただいま!あの、これって……」


手紙を指差しながらそう問えば、老師さまは私の頭を一度撫でた。


「そなたの予想通りだよ。
それは、ホグワーツの入学許可を知らせる手紙だ」


それを聞いた途端、一度引き始めていた頬の熱が戻るのがわかった。


「ほんとうに!ほんとうなのね!」


そう言ってついぴょんぴょんと跳び跳ねれば、アルシャドに笑われた。

ホグワーツはランの出身校であるし、
いつも話に聞いていたからすごく嬉しい。


そう言えば、ランは頬を染めて嬉しそうに微笑んだ。ランはいつも、ちょっと眉を寄せて困ったように笑う。


意識は手紙に向けて話を聞いていると、いつの間にか明日の午後に必要なものを買いに行くということになった。


ダイアゴン横丁はあまり行ったことがないから、今から楽しみになってくる。





私はわくわくとしながら、興奮で眠れぬ夜を過ごした。











と、思ったけど、結構普通によく眠れた。