6

変に囃し立てられてしまった私達はお互いの出来るだけ離れていようと思ったのか、私達はほぼ真逆と言っても過言ではないくらいの所に立って、オールマイトの戦闘訓練の説明を聞いていた。あ、あんな風にちょっと仲のいい人たちがいるとすぐに恋愛に結びつけたくなるのが中高生ってもんだもの。仕方ないって……下手に気にしてる方がますますからかわれるぞ、私!!早く忘れた方が身のため。
邪念を振り切り、オールマイトの話に集中する。簡単にまとめると、これからくじ引きをしてチーム編成を決めるらしい。基本的に二人編成のチームにするつもりらしいが、このクラスには端数で二人余ってしまうので、この二人はどこかのチームに混ぜてもらうとのこと。つまり、三人チームの所が二組できるというわけだ。
そして皆気になっていると思うけど、私と炭治郎のような鬼殺隊枠で入ってきた人達はどうやって戦うのかと思いませんでしたか??
実は私達、普段使う刀はここでは絶対に使いません!!!なのでこの戦闘訓練では私も炭治郎もそれぞれ自分の個性を使用して戦います。それは何故か。鬼殺隊の刀は、人に向けるのではなく、鬼に向けるもの。どのような理由があっても人に向けるのであれば、それは鬼殺隊失格。ちゃんとした隊律になっているわけではないが、隊士であるならばこれは暗黙の了解。つまりは「隊士であること誇りを持て」と、言いたいのであろう。だから私も炭治郎も今は刀を持ってきてすらいないのだ。
だがここでもう一つ、ヒーロー科の入試を受けてないような私達の個性がここで通用するのかと、思った人は少なからず居るでしょう。皆さん、思い出してください。最初の鬼殺隊枠に入るための条件を。
まず、鬼の討伐数が五体を超えている者。そして、『ヒーローを目指すことの出来る個性を持っている者』でしたよね?その条件がこうして生きてくるのです。私達鬼殺隊枠は、『鬼殺隊枠』と言っているけど基本的にやることは他の人たちと同じ。戦闘訓練をやると言えば個性を使うし、個性を鍛えろと言われたら個性を鍛えるし。
そもそもどうしてヒーローを輩出するこの雄英高校に鬼殺隊枠というものが設けられているのかというと、ぶっっちゃけ言ってしまえば私達は『護衛』だ。鬼用の、ね。この雄英の校長が鬼殺隊のトップであるお館様にこの話を持ちかけたのが始まり。ヒーローは敵にしか攻撃することが出来ない。それでは、ヒーローを目指している金の卵達がもしも鬼に襲われたらどうすればいいのか。答えは「どうしようもない」。だから雄英の校長はお館様に掛け合い、頼み込み、お館様はこの雄英高校に毎年ヒーロー科にのみ、一クラス二人の鬼殺隊員を入学させることにしたのだ。私達はあくまで護衛。だから例えこの学校を卒業したとしても、ヒーローとして華々しくデビューすることは無いだろう。だって私達は鬼殺隊士なのだから。
話は長くなってしまったけど、私のくじ引きの結果をここでお話しよう。
私の引いたくじに書かれていたアルファベットは──『アイ』。
葉隠ちゃん、尾白君とのチームだった。

TOP