休憩の最中に外に出てくるポケモンたちは皆、強い子だと一目でわかる。
出来ることなら仲良くしたいけれど、期間限定と説明したせいか明確な壁が見えた。
キキョウシティに到着したボクは今後の予定作成を理由に部屋に籠ることにした。
うそ。本当は、ほんとうは……。
部屋の扉が開く。津波さんが帰ってきたんだ。
ボクは駆け寄り、何もなかったことを祈って、話しかけた。
話し合いの末に僕らが選んだ目的地は、ヒワダタウン。キキョウシティのポケモンセンターを後にし、32番道路へ向かう。
「(なんというか、光葉。嬉しそうだな)」
光葉も僕も、お喋りが上手という質ではないらしく一緒に旅をしているのに会話らしい会話は無い。精々、道にある看板を見て話し合いという名の確認をする程度だ。
「(何に対して喜んでいるのはわからないけど、暗くなるよりかはいいか)」
『マスター』
よそ見をしていた僕に風音が話しかけてきた。反応が遅れたが、「なに?」と、声を返す。
『……いえ、遠くを見ていらっしゃったので』
「うん、危ないよね。気を付ける。ありがと」
曖昧な返事が返ってくるから、きっとそうなのだろうと礼を告げる。
光葉がトレーナーに話しかけられている。モンスターボールを持っていることから、バトルの交渉だろう。少し待てば粗方の交渉が終わったらしく、僕の元へ駆け寄ってくる。急ぎではないため、バトルの審判役を務めることに同意し、僕は2人の間に割って入るように立つ。
「使用ポケモンは2体。開始の合図とともにスタート。故に、先手・後手はない。……これでよかったかな?」
2人から同意の返事が返ってくる。僕の安全は自分で確保することになるけれど、基本的には風音に任せておけばいいだろう。互いにモンスターボールを構えたのを確認して、僕が「開始」と、宣言した。
2対2のバトルを終えた光葉は、激闘を戦い抜いたスピアーとユンゲラーの治療に入る。≪傷薬≫によって傷が癒えた途端に飛び立ち、両手の槍をぶんぶんと振り回すスピアーに光葉は振り回されているようだった。
「(命令無視っていうよりかは、耐えかねた末に突撃っていう形だし悪くはないと思うんだけど……)」
相性が不利な相手を素早い動きで翻弄し、相手を防戦に追い込んだ。綿胞子≠ナスピアーの素早さを下げたモココ。相手の電撃を避けられなくなった途端に立場が逆転し、スピアーは被弾しながら逃げ続けることしかできなくなっていた。
何かしらの指示を飛ばさなければ打開はできないが、光葉にはその打開策が浮かばなかったのか「躱して」や「逃げて」の指示ばかりだった為、耐えかねたスピアーが形勢逆転を狙って攻めに転じた。しかし、スピアーは既に綿胞子≠ノよって素早さはとっくに地に落ちている。
ちょろちょろと逃げられるのも面倒だと、モココは突っ込んできたスピアーを受け止め、電撃でそのまま沈めた。その後はユンゲラーを出し、体力を消耗していたモココを先頭不能に追い込み、互いにラストになったが流石はエスパータイプ。出てきたゴースを速攻で沈め勝敗を決した。
「(見方を変えれば、ユンゲラーは守りに転じたくなかったんだろうな)」
守りに転じた途端に光葉の動きが悪くなった。それを危惧したユンゲラーも攻めを意識して立ち回っており、スピアーとは違ってエスパータイプ特有の動きで相手の攻撃を無力化していた。
「(指摘する、それだけなら簡単だけど……)」
アドバイスという意味では難しい。光葉だって自分の弱点には気付いているだろう。改善案が浮かばなかった僕は1人・うんうんと、唸る。
一通り、怪我の治療が終わったのだろう。光葉は2人を戻して僕の元へ駆け寄った。……さて、本当になんて声をかけよう。
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