偶然かそれとも必然だったのか、わたしはセルと会うことが出来た。だが、肝心のドクターゲロの行方がまだわからない。 「そういえば…研究所へ行ったら跡形も無かったの。幸い地下の研究所、つまり幼生のあなたは無事だったけどドクターの身に何が起こったのか、あなたは何か知ってる?」 「さあな…その様子では殺されているかもしれんな」 他人事のようにあっさりと答える。さすがに不愉快。 「…セル!ふざけたこと言わないで」 「ふん、どうせお前も気付き始めているんだろう。潔く認めたほうがいいんじゃないか?」 「冗談じゃない…」 「頑固なやつだ。他人に執着して何になる」 思わぬ言葉に動揺するわたし。考えたくも無かったそのことに触れてしまった。もちろん覚悟はしていたけど… それにしても、生みの親でもあるドクターゲロにはまるで関心も無いような口ぶり。呆れたわ。 「ところで、17号や18号は既に動き出しているようだな。やつらを探すのにお前も手を貸す、それでいいんだな?」 「…ええ」 「そうと決まれば、早速隣町のほうにでも行ってこい。わたしは生体エキスをいただきつつ、他を探しにいく」 大きな口を… この人造人間も、注意はしておいたほうがいいわね。何を仕出かすかわからない。ドクターも人造人間の扱いには、ほとほと苦労していたし… ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |