薄暗い空間に大きなコンピュータたちの青白い光が灯る。 微妙な距離間。 この時代へ来る前の、あの時のトランクスを思い出す。警戒心が強いのは、いつでも変わらないようだ。 「お前は何者だ…!? 」 トランクスが切り出した。 「あなた未来から来たのね、まさか他にもいるとは思わなかったわ。わたしの知っているトランクスは、ここへは来ていないはずなのに」 「オレを知っているのか!?」 途端に彼の気が高まった。 「わたしを含め、別次元から来たものが随分と混在しているようね。時代が変わったとしても確かに納得がいくわ」 わたしの話に、トランクスたちは驚きを隠せない様子だったが、より複雑になった事態に何かしら危うさを感じたようだ。 「悪いがオレはお前を知らない…!何者なんだ、まさかお前もドクターゲロの仲間か!?」 次元が違うのだとしても、もちろん知るはずも無い。わたしはいつでもドクターゲロとともに、研究に打ち込んできた。研究所から離れたことなんてほとんどなかった。それはドクターとの約束でもあった。たぶんずっと独りになりたくなかったのかもしれない。 それは、今でも同じ。 幼い頃の記憶などわたしにはほとんど無いが、いつも孤独という寂しさと恐怖に侵されていたことだけは今でも覚えている。脳にその感覚だけはずっと残っているらしい。 ドクターに会えたときは、どんなに嬉しかったことか… 「わたしのことなど知る必要はないわ、あなたに関わるつもりもない」 「そういう訳にはいかない…!この時代に狂いが生じている以上放っておく訳にはいかないんだ!」 トランクスは一気に気を高めた。 「トランクス焦っちゃだめだ!相手も何仕出かすか分からないぞ!」 「わかっています…!」 クリリンの忠告にこらえるトランクス。 しばらく沈黙が続く。行動次第では、彼らをここで消すしかない。 ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |