Story:05 立ちはだかる者(後編)-2-




「…わたしはドクターゲロのコンピュータで造られた人造人間よ」

「何!?」

「この研究所は今は亡きドクターの最期の遺産の様なもの。破壊されるわけにはいかないわ、ここから去りなさい」

驚くのも束の間、再び険しい顔付きでトランクスは構える。

「やはりドクターゲロの人造人間か…一体何人いるんだ…!」

「おいトランクス、どうにかしてセルだけでも破壊出来ないか…?」

クリリンは小声でトランクスに話しかけた。
トランクスはしばし考え、

「オレがあいつの気を引くようしかけます。クリリンさんはその間にセルの破壊をお願いします」

「…わかった」


やはり来るわね…

その様子に、わたしはすぐ様二人の次の行動を察した。

トランクスが向かって来る。彼の拳をかわし、わたしは回し蹴りで応酬する。トランクスはその蹴りを肘で受け止める。
クリリンはしばらくその様子を伺いながらも、チャンスとばかりにセルの保管装置へ向かい手を前に構えた。
もちろん、その瞬間をわたしは見逃さなかった。

一瞬でクリリンの前に移り、その手を払いのけた。彼の手から放たれた気功波は天井を破壊する。

「しまった…!!」

その瞬間を目にしたトランクスが叫ぶ。背後から首元を突かれたクリリンは気を失った。

「無駄よ 早くここから出て行きなさい」

「くっ…!!」

トランクスはそれでも諦めまいと、超サイヤ人になり更に大きな気功波で対抗してきた。

この時代へ来る前の、あの光景が蘇る__

薄暗い研究室が真っ白な光に包まれた。

風が吹き下ろす静かな北の谷に、一際大きな爆発が起こった。

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