「…わたしはドクターゲロのコンピュータで造られた人造人間よ」 「何!?」 「この研究所は今は亡きドクターの最期の遺産の様なもの。破壊されるわけにはいかないわ、ここから去りなさい」 驚くのも束の間、再び険しい顔付きでトランクスは構える。 「やはりドクターゲロの人造人間か…一体何人いるんだ…!」 「おいトランクス、どうにかしてセルだけでも破壊出来ないか…?」 クリリンは小声でトランクスに話しかけた。 トランクスはしばし考え、 「オレがあいつの気を引くようしかけます。クリリンさんはその間にセルの破壊をお願いします」 「…わかった」 やはり来るわね… その様子に、わたしはすぐ様二人の次の行動を察した。 トランクスが向かって来る。彼の拳をかわし、わたしは回し蹴りで応酬する。トランクスはその蹴りを肘で受け止める。 クリリンはしばらくその様子を伺いながらも、チャンスとばかりにセルの保管装置へ向かい手を前に構えた。 もちろん、その瞬間をわたしは見逃さなかった。 一瞬でクリリンの前に移り、その手を払いのけた。彼の手から放たれた気功波は天井を破壊する。 「しまった…!!」 その瞬間を目にしたトランクスが叫ぶ。背後から首元を突かれたクリリンは気を失った。 「無駄よ 早くここから出て行きなさい」 「くっ…!!」 トランクスはそれでも諦めまいと、超サイヤ人になり更に大きな気功波で対抗してきた。 この時代へ来る前の、あの光景が蘇る__ 薄暗い研究室が真っ白な光に包まれた。 風が吹き下ろす静かな北の谷に、一際大きな爆発が起こった。 ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |