それきりその日はセルとは一度も話すことはなかった。 わたしは彼から離れ木陰で独り、今日という日が過ぎるのを待つばかりだった。明日にでもなれば忘れられる…そんな気がしたから。 夜が近づき、わたしは近くの空き家で寝泊りすることにした。 「9日後の武道会の影響かしら、誰もいないのね」 床に就くなり今日のセルの対する複雑な心境が、なかなか眠りにつかせてくれない。昨日のセルが見せた優しさは何だったんだろう… 本当に彼を信じていいのだろうか。こんな時ドクターは何と言うのだろうか。 わたしの気持ち次第なの…? もちろん誰も何も教えてはくれない。 ぬるい一粒のしずくが頬に伝った。 ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |