Story:17 近くて遠くそれなのに近い-1-



光がまぶしい。


独りたたずむわたしがいる。


その向こう側に見えるのは…


あれは誰…?



セル…?


セル…なの…?



やっぱりあなたなのね
助けてくれたのは…





あたたかな夢。
そして懐かしい感覚が蘇る。

わたしはあの時の彼が忘れられなかった。
まるでいつもと違う、もう一人の彼を垣間見たあの瞬間…わたしに向けた微笑む顔…


セル…


きっとまたわたしは泣いているのだろう。
あの人には…見捨てられたくない…



『○○○』



すると腕に頬にそしてふわりと口元にあたたかみが感じられ、虚ろな目の前には彼が…セルがまるですぐそばにいるような、そんな空気を感じた。


まさか…


目が覚め思わず体を起こした。

暗い部屋には時計の針の音が静かに鳴り響く。


「…」


わたしにはただ虚しさが増すだけだった。

- 47 -



*前次#


ページ:

ストーリー:











小説TOPページへ

サイトトップページへ