Story:02 齟齬(そご)の予感-1-



エイジ767__



タイムマシンにより過去へと到着した○○○。
そこでは予想もしない事態が次々と待ち構えていた。


どうやら無事に過去へはたどり着いたらしい。
マシンにセットされていた年月は、エイジ767の5月12日とあったが…間違いでも起こしていなければ、この時代にはまだドクターゲロは生きている。まずは研究所へ急がなければ…

一つ気がかりなのは、準備不充分だったタイムマシンが、ここへたどり着いた瞬間オーバーヒートし、本体も一部燃焼してしまった。カプセルにしまい込むことは出来たが、故障の可能性は高い。元の時代へ戻ることができるかどうか…

とはいえ、今のわたしにはドクターのいない時代へ戻ること自体意味がないのかもしれない。




そうこう考えているうちに、研究所のある場所へ着いた。が、どこを探してもあの扉が見つからない。岩場に降り足元を見ると、人工物らしき細かなガレキが散っている。このような場所に、ガレキが…?


一瞬鼓動が止まった。

まさか… この時代さえも…?!


あの時の研究所の様子が脳裏に蘇る。急いで地下の研究所も探したが、どうやらそこは無事だった。

「良かった…不幸中の幸いね…」

思わず胸を撫で下ろした。

この人造人間こそドクターの希望。必ず完成させてみせる。ただ気になるのは、ドクターゲロの消息。彼は一体何処に…?



この時代のドクターは既に自身を改造し、人造人間となっている。気を捕えることが出来ない分、宛てもない状態で探し出すこと自体かなり無謀だった。

わたしは途方に暮れていた。
このままでは、一体何のために来たのかわからない…何の情報も掴めないし…どうすれば…




そんな時だった。
ふと、ブルマのセリフが頭に浮かんだ。

「あんた過去へ行くつもりなの!?一体何のために!?」

何のためって…
失った大切なものを取り戻すためよ。そのために、タイムマシンに乗り込んだのに…



…タイムマシン… か…



そうか、上手く交渉できれば、ブルマに直してもらい更に過去へ行けるかもしれない。ただレッドリボンのマークを見られては、またややこしいことになり兼ねない。

「まずは、ジャケットだけでも変えたほうがよさそうね」

一か八かやってみるしかない。
わたしは、カプセルコーポレーションがある街へ向かった。

- 6 -



*前次#


ページ:

ストーリー:











小説TOPページへ

サイトトップページへ