その頃、カプセルコーポレーションでは、ブルマがとある郵便物に目を通していた。 神妙そうに顔をしかめながら、部屋に戻るブルマ。 「うーん、これどう見てもアレよね…」 通りすがったブリーフ博士が、声をかけた。 「どうした?何かあったか?」 「んっ、大丈夫よ!故障の修理でちょっと調べ物が入っただけだから」 これはトランクスにも聞いてみたほうがよさそうね…そう言えば、あのコ今何処にいるんだっけ。悟飯くんと一緒かもしれないし、電話してみるか。 悟空の家に電話をかけるブルマ。だが、聞こえるのは呼び出し音だけ。 「…?おかしいわね、誰もいないなんて…留守かしら」 「おーいブルマ、ちょっと来てくれんか」 ブリーフ博士の声だ。エントランスから聞こえる。 「何よ、私に来客?」 エントランスへ向かうと、扉のほうには女性が一人立っている。 ブリーフ博士はブルマのそばに寄り、 「うちの製品の修理をお願いしたいらしいんだが、その前に何だか随分と怪我をしているみたいなんだよ…ちょっと手当てしてやってくれないか?」 「怪我…?」 よく見ると、女性の左腕からは血が流れている。何の表情も見せず、ただそこに立ち尽くしている彼女は、どこか憂いに満ちているかのようだった。 そんな様子にブルマの直感が、訳ありげに思わせた。 「わざわざ直接訪ねて来てくれてありがとう、怪我をしてるようだけど、まずは手当しましょうよ。それから修理の件について伺うわ」 「あ…ありがとうございます」 遠慮気味に女性は答えた。 「いいのよ、その腕を見て放っておく人なんかいないわ」 明るく答えるブルマに少々戸惑いながらも、その女性は部屋に案内された。 「よし…これで大丈夫。思ったより出血はないみたいだし、きっとすぐ直るわ」 「…わざわざありがとうございます」 いつまでも表情の硬いその女性に、ブルマはさすがに気になり始めた。遠慮してるというよりは、どこかぎこちないような雰囲気は気のせいかしら。 「初対面でこんなこと言うのもアレだけど…大丈夫?何かあったの?」 「え、いいえ…」 ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |