Story:02 齟齬(そご)の予感-2-



その頃、カプセルコーポレーションでは、ブルマがとある郵便物に目を通していた。

神妙そうに顔をしかめながら、部屋に戻るブルマ。

「うーん、これどう見てもアレよね…」

通りすがったブリーフ博士が、声をかけた。

「どうした?何かあったか?」

「んっ、大丈夫よ!故障の修理でちょっと調べ物が入っただけだから」

これはトランクスにも聞いてみたほうがよさそうね…そう言えば、あのコ今何処にいるんだっけ。悟飯くんと一緒かもしれないし、電話してみるか。

悟空の家に電話をかけるブルマ。だが、聞こえるのは呼び出し音だけ。

「…?おかしいわね、誰もいないなんて…留守かしら」



「おーいブルマ、ちょっと来てくれんか」

ブリーフ博士の声だ。エントランスから聞こえる。

「何よ、私に来客?」

エントランスへ向かうと、扉のほうには女性が一人立っている。
ブリーフ博士はブルマのそばに寄り、

「うちの製品の修理をお願いしたいらしいんだが、その前に何だか随分と怪我をしているみたいなんだよ…ちょっと手当てしてやってくれないか?」

「怪我…?」

よく見ると、女性の左腕からは血が流れている。何の表情も見せず、ただそこに立ち尽くしている彼女は、どこか憂いに満ちているかのようだった。

そんな様子にブルマの直感が、訳ありげに思わせた。

「わざわざ直接訪ねて来てくれてありがとう、怪我をしてるようだけど、まずは手当しましょうよ。それから修理の件について伺うわ」

「あ…ありがとうございます」

遠慮気味に女性は答えた。

「いいのよ、その腕を見て放っておく人なんかいないわ」

明るく答えるブルマに少々戸惑いながらも、その女性は部屋に案内された。

「よし…これで大丈夫。思ったより出血はないみたいだし、きっとすぐ直るわ」

「…わざわざありがとうございます」

いつまでも表情の硬いその女性に、ブルマはさすがに気になり始めた。遠慮してるというよりは、どこかぎこちないような雰囲気は気のせいかしら。

「初対面でこんなこと言うのもアレだけど…大丈夫?何かあったの?」

「え、いいえ…」

- 7 -



*前次#


ページ:

ストーリー:











小説TOPページへ

サイトトップページへ