突然隣りの部屋で電話が鳴った。 「あ、ちょっと待っててね」 電話に出るブルマ。話し相手は、どうやらクリリンのようだ。何故か途中でトランクスを呼んでいる。この時代には、無いはずのタイムマシンの話まで出てきた。この後ある場所で落ち合うらしい。 わたしは隣の部屋から聞き耳を立てた。 トランクス…?彼はまだ小さな子供のはず。他にも未来から来た者がいるの…? 「ごめんなさい待たせちゃって。修理の必要な製品は預かるわ、軽く状況を聞いておこうかしら。ちょっと急用が入ったものだから」 ブルマは急いでいるようだ。わたしは一考し答えた。 「あの…急いでいるのであれば、わたしは待ちます」 「ええっ、でもどの位待たせてしまうか分からないわよ?先に聞いておいた方がいいんじゃ…」 「大丈夫です、手当までしていただいたので…ここで待っています」 表情を和らげ、わたしはさり気なく用事を薦める。その顔に安心したのか、ブルマはそれを受け入れた。 「何だか悪いわね、良かったらコーヒーでも飲んで待ってて。すぐ戻るようにするわね!」 一人部屋に残ったわたしは、初めて訪れたこのコーポレーションの様子を探りに、静かに周りを歩き回っていた。 ブルマの電話越しの話が気になる。だがついて行くわけにもいかない。事を荒立てては、動き辛くなる。後で調べに行くしかないわね… 近くで騒がしい音が聞こえ、その音の先にある部屋をのぞき込む。どうやらブリーフ博士が観ているテレビからの音のようだ。 そのテレビの画面からは、ある事件の緊急リポートを伝える番組が流れている。 わたしは何気なくその様子を見ていた。 が、画面が次に切り替わった時、わたしは目を奪われた。 こ…これは…!? 突然目に入ったその画面内の光景に、胸騒ぎを感じた。 場所はジンジャータウン。それほど遠くはない。 タイムマシンの修理など、今はどうでもいい。 とにかくあの場所へ急がなければ。 …わたしの知らないどこかで、何かが動き出している… どうやらこの次元は単純ではなさそうだわ。 ページ: ストーリー: 小説TOPページへ サイトトップページへ |