こいつはナマエ。俺んちで飼ってる犬だ!いい子だから挨拶もちゃんとできるんだぜ!

わんわん。よろしくですわん。


プライドが傷付かないのかって?よく聞かれるんだがありえないね。そんなもので腹は膨れないし、ぴかぴかに光る石ももらえないし、散歩にだって連れて行ってもらえない。


ほらナマエ、紅い宝石好きだっただろ?新しい首輪を買ってきたんだ、つけてみてくれよ!

わんわん。ご主人さま、ありがとわん。

ははっ、気に入ってくれてよかったよ!

「…なぁ、アレどうなのよ?」
「好きでやってるならいいんじゃないか…」


遠巻きに白い目で見る者、同情する者、蔑む者。
金のためにそこまで堕ちるかと唾棄されたこともあった。
頭の悪い俺には、何がそんなに気に食わないのかよくわからないんだ。


ナマエ、ご飯だぞ!たっくさん食べて大きくなれよ!

わんわん。いただきますわん。

「ギャハハ、嘘だろ!あいつ床でメシ食ってる〜!」
「いくらペットとは言え、あそこまで徹底できるものでしょうか」
「全く理解できないな…彼には尊厳というものが無いのか?」


人間のマナーを守ってお行儀よろしくテーブルにつく犬なんて見たことがない。
取り分けてくれた肉を骨から引き剥がしながら貪ると、ご主人さまは嬉しそうに笑ってくれた。


俺の名前はナマエ。
カリム・アルアジームの忠実なるペットである。




戻る

トップ