このひとを探していますと記されたその下にはあの吉良吉影の顔写真。
そんな張り紙を杜王町中に貼りまわる人物がいると聞いて、吉良の行方を探すついでに調べていたところ。
どうやら僕は件の男にたまたま出会ってしまったみたいだ。

「ええと…まあ、そういうことになる、のかなあ」

男はさして心配していなさそうな素振りで首を傾げた。
普通張り紙までして誰かを探す時って、よっぽど切羽詰まっている状況だと思うけど。

「ちがうんですか?」

「こいつ自身はどうでもいいんだ。…いや、よくはないのか…」

「???」

「ところで君、こいつについて何やら知っているように見受けられるが知り合いなのかね?」

どうしよう。なんて答えるべきか?

吉良吉影は複数の仲間を持たないみたいだけど、確たる証拠があるわけではない。
もしかしたらこの人も吉良の仲間なんじゃあ…万が一のことがあれば不味いし、念の為確認しておこうかな。
スタンドが見えなければそれで、この人は無害だってわかるんだから。
そんな考えからエコーズを呼び出すと、彼は大して驚くことなくぼんやりと呟いた。

「おやまァ…君もそういうの出せるのかい」

「みっ、見えるんですね!まさか吉良の仲間のスタンド使いなんじゃあ…!」

「美しくないね」

「…………へ?」

あっさりとばっさりと、男の人はそう言った。なんの遠慮も躊躇いもなく。

「キラークイーンの美貌や気高さには遠く及ばないなあ…それ、ほんとに同じスタンドってやつなのかい?」

「ちょ、ちょっと!失礼でしょう!僕のエコーズだって充分凄いスタンドなんですよ!」

「へー。そんなことより君、こいつの居場所知ってるの?」

「そんなことって…!」

なんて人だ!もうエコーズの方を見もしない!
胡乱げに「知らないんなら別に構わないよ。期待してないから」だなんて言われて黙ってられるか!

「…知ってますよ。そいつのこと」

僕のつまらないプライドにまみれた心中を察してか知らずか、彼は切れ長の瞳をすっと細めてふうんと嗤った。




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