ある日突然、キラークイーンがいなくなった。

本体は自宅にも職場にも姿を見せなくなった。

これは大変に由々しき事態だ。世界の損失だ。

原因だとか経緯だとかそんなことはどうでもいい。

キラークイーンが俺の前からいなくなったという事実こそが、最優先で憂慮すべき事項なのだ。


幾日杜王町中を駆け回ってもキラークイーンの痕跡ひとつ見つけられない。スタンドという存在は大多数の人間が視認できないようだから当然と云えば当然か。
キラークイーンへの愛ならば誰にも負けないこの俺が、なんと不甲斐ないことだろう。

致し方なくスタンド使い本体に焦点を当てて探し人の張り紙を所構わず貼りつけたり、警察に捜索願を届けたり、腕の立つ探偵に依頼もした。それでもろくすっぽ望んだ情報を得られないのが現状だ。
こんなとき自分はどこまでいっても一般人で、かつどうしようもなく無力であるということを痛感してしまう。
俺も千里眼のスタンドとか使えればいいものを…

「…こんな張り紙程度で見つかるものか…」

ふてぶてしい本体のツラが印刷された張り紙を眺めながら一向に収穫が得られないことを嘆き、苛立ち、憂いていると、ふと背後から声がかかった。

「あのぅ…もしかして貴方も吉良吉影を探してるんですか?」

振り返ると、人当たりのよさそうな少年が訝しげにこちらを見上げていた。




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