滔々と、時に朗々と。そして夢でも見るような面持ちで愛を囁く男がいる。
私のスタンドに向かって。本体である私をすっ飛ばして、こいつの瞳にはキラークイーンしか映らない。映そうともしない。
癪に障る、のである。
「おい…いい加減にしたまえ。もういいだろう、十分だ」
「十分?なにが?キラークイーンがそう言ったかい」
「何度も言わせるな。本体とスタンドは一心同体なんだ。私がうんざりすれば、同様にキラークイーンも辟易しているのだ」
「この可憐に恥じらうかんばせを見ろ、本体!これのどこが辟易しているというのだ」
「黙れ!」
行儀良く正座した挙げ句律儀に男の言葉に耳を傾けるキラークイーンは、確かに愛くるしい、ような気もしなくはない。
けれどもなんだって、私の名前すらろくに覚えようともしない礼儀知らずの言うことをいちいち聞いてやらなけりゃあならないんだ?
「ああ、キラークイーン!何度でも言うさ、俺は永遠に君への隷属を誓うよ…夜空に瞬く星だって、君の輝きに比べればうんたらかんたら」
つらつら、つらつら、つらつら。
湯水のように湧く愛の言葉がやかましいったらありゃしない。
横目でちらと見やれば、奴の指摘した通りキラークイーンは仄かに頬を染めているではないか。
本当に、なんということだ。
吉良吉影ともあろう者がひと一人殺すこともままならないなんて。
このナマエという男は、大変に癪に障るのである。
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