記憶の中のナマエよりずっと痩せていた。
黒い髪に黒い瞳、薄い唇。
焦がれた懐かしい顔立ちをようやく目にして、胸が詰まるような思いがした。
たまらず顔を埋めた彼の胸はあんまりにも薄くて、肌は青白くてひどく冷たくて、まるで…まるで死人のようだったから。
僕はどうしようもなく泣きたくなった。

幼い時分に抱いた印象のとおり、彼は自らの意思でそうしているように目立つことなく影に徹し、その周囲だけが正確に切り取られたかのように灰色に染まって。
一方で対照的にあのオーロラが眩いばかりに美しく輝き、あらゆる存在からの干渉を拒絶するように彼を包み込んでいる。

彼の足元に咲く小さな花は、時季でも無いのにすっかり枯れ果てていた。

憐れな僕は何年越しの友との再会に感傷的な言葉のひとつすら聞けずに。
ナマエは僕を押し返した。触れてくれるなと言わんばかりに。
そして気怠げに眉を顰めた挙げ句、

駄目だよ。

よりにもよって、僕に吐く台詞がそれか?
まともに語りかける第一声がそれなのか?

「だめ、って…何が?」

「この光は人体にとって到底良くないものなんだ。近くにいたら駄目なんだ。特にお前は…こいつの格好の餌食になってしまう」

目を逸らしながら早口に言うが早いか、掴んだ腕を振り解こうとした。こんなにも痩せさらばえているくせ僕に敵うわけがないだろう。無駄なことを。

「離してくれ…」

それは単なる願望に過ぎず、何の意味も成さない、あまりにも弱々しい抵抗。
そういったナマエの姿や動作や声色すべてが僕に後ろ暗い感情を抱かせる。

ああ、僕は無駄なことが嫌いなんですよ。
一度しか言いませんから、よく聞いてくださいね。


だぁめ。




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