君を初めて見た時、単純に輝いていると思いました。周囲の人間はその輝きに気づかないのか、全く気にも留めませんでしたが。
顔立ちや体躯に特筆するべき美しさは確かにありません。
良くも悪くも目立たない地味な子ども、一見しただけではそんな印象しか抱かない君に対して覚えた感覚をなんと言えばいいのか…

そう、オーロラ。

およそ両極でしか目にすることのできない天体現象。
君自身がそれを纏うように美しく揺らめいていたことを強く覚えています。

「それ、なあに?」

思わず声をかけた僕を至極だるそうに見やると、君は淡々とした口調で「わかんない」とだけ呟きました。
本当にわからないような口振りでした。別にいちいち理解する必要なんかないだろ、とでも続けそうなくらいどうでもよさそうで。

「いつからいるの?」

「ずっと」

「どうして一緒にいるの?」

「そうしたいから」

「…友達、なの?」

一呼吸、置いて。

「うん」

君はやっと晴れやかな笑顔を見せてくれました。
嬉しそうに、得意げに。
当時周囲から隔絶されていた僕には、眩しくて羨ましくて愛らしくて。

そんな幼い頃の微かな記憶が、ずっと脳の片隅に灼きついて離れないのです。




戻る

トップ