言い忘れていましたが、僕はほんのつい先日、スタンドという存在を知ったのです。
僕があのとき生み出した花は、このスタンド能力が発した生命エネルギーによるものだったと。
どうやら僕は—ちなみにスタンドはゴールド・エクスペリエンスと名付けたのですが—物体に生命の力を宿すことができるようです。
そして僕の他にも、種々様々なスタンド能力が多様な人びとに備わっていることも知りました。
君のオーロラも同じ類の現象なのでしょうか。

いま所属しているチームでは、全員がスタンド能力を有しているようです。
僕は新入りでまだ馴染めきれていないですし、馬鹿正直に手の内を教えてくれる人もいません。些か不親切です。
スタンドについてもギャングの作法ひとつとっても、右も左もわからないことばかりです。

何から書きつければいいのか…自分でも上手くまとめられなくてすみません。
僕は今、ネアポリスのリストランテでこの手紙を綴っています。
ここは明るくて、賑やかで、僕には少し居心地が悪い気がする。


あまりにも矢継ぎ早に周りでいろいろなことが起こるものだから、実際に体験したことについては直接会って話そうと思っています。
ギャングに入団するためのごく単純な試験のこととか。意外と簡単なんですよ、気になりませんか?ならないでしょうね、君は。
なんて小狡い真似をして。少しでも僕の焦燥が、渇望が伝わってくれればいいのですが。
君は僕の可愛らしいわがままだって一度たりともきいてくれない。

僕がギャングになったきっかけは、君と出会ったのと同じころ、幼少期に遡ります。
君がなんにも言わずに失踪してからすぐのことです。

とあるギャングの影響で、とある夢を抱くようになりました。これも手紙で詳しく言うつもりはありません。

なんだか今日は意地の悪い言葉ばかり書いてしまうな…
とにかく僕は、切実に抱いた夢のためにギャングになったのです。
決して好き放題犯罪を犯すためだとか、まっとうな社会から炙れるような人間だからだとか、そんな理由では無いということは知っておいてください。


もう何通目の手紙なのか覚えていません。
時折無性に虚しくなります。
君からの返事が欲しい。君の声が聞きたい。君の名前が知りたい。

僕の人生はじめての、友達へ。




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