TOP > 更新履歴 > 記事

レオが酔っ払いの彼女を叱る
2025/06/07 23:37

「も〜おわり!おまえ飲み過ぎっ!」
「あぁっ!返して!」
「返さない!気持ち悪くなっても知らないぞ!」
「気持ち悪くなったことないから大丈夫です〜」

 おもちゃを取り上げられた子どもとその子どもの親のようなやり取りをしながら、私はすっかりレオくんに取り上げられてしまったウイスキーの瓶を物欲しげに見つめた。ついこの間買ったのにもう無くなってしまう。またネットで買っておくかなどと考えていると目下、手の中の瓶を苦々しげに見つめながらちゃぷちゃぷと中身を確かめるように振ったレオくんが「うわぁ」と呟いた。

「これ買ったばっかりだろ?おまえこんなに飲んじゃったの?ウイスキーって度数高いだろ」
「炭酸水と割れば大したことないもん。でしょ?」
「知らない。おれ飲まないもん」

 そういえばレオくんは飲むと言っても軽いものだけで、深酒しているのを見たことがない。せいぜい私の晩酌に付き合う程度だ。

「あと少しなら瓶邪魔だし飲んじゃう」
「だめっ!」
「いじわる!」
「いじわるじゃない!」

 たまに生粋のお兄ちゃん気質な顔を見せるレオくんにピシャリと跳ね除けられたのが寂しくて、膝立ちのまま瓶を私の手に届かない位置に掲げてるせいですっかり空いた彼の胴体に私は思いっきり抱きついた。あまりに咄嗟の出来事だったからか単純に私が重かったからか、うわぁ!と叫んだレオくんがそのまま横に倒れた。分厚くて頑丈なウイスキーの瓶が床に当たり、ゴンと音を出す。階下の部屋にまで響いたかもしれなくて、それだけ少し申し訳ない。

「あっあぶな!だめだろ!あぶない!」
「ごめんなさい」
「全然反省してないだろそれ」

 とは言うものの、瓶を放した彼の手がよしよしと私の頭を撫でているのは恐らく無意識だ。それに甘えるようにぐりぐりと頭を彼のお腹に押し付ける。そこで改めてとあることに気づいて、私は彼の腰を片手でガッチリと掴んでから、お腹から腰に掛けてをベロンと撫で回した。全てはウイスキー。そう、ウイスキーのせいである。

「ねぇレオくんてさぁ、お腹ぺらっぺらだよね。どうしてこの薄い身体であんなすごいパフォーマンスできるのかなぁ」
「わはは!くすぐったいやめろ!」

 小さい子みたいにジタジタしてるレオくんが可愛くてついつい楽しくなってきてしまった私は、そのまま腕を彼の後ろ側に回して、お尻を掴んだ。

「は?尻ちっさ」
「うわ!」

 お尻の全体像を把握する為に撫で回し、そのままぎゅっと揉んでみた。レオくんが「痴漢!」と叫ぶ。

「そうだよレオくん痴漢には気をつけてね?こんな小さい尻ひと齧りだよ」
「えっなに言ってんの?かじるな!」

 流石に齧りはしないと笑い転げれば、レオくんがムッとした。しかし普段から思っていたがあれだけのパフォーマンスをしていながら、レオくんの身体は筋肉の硬さを感じない。細身ではあるけれど、なんか柔らかいのである。
 そこで気がつく。以前ふと読んだネットの情報を鵜呑みにしただけではあるが、私は彼のお尻をツンツンと突きながら言った。

「こんなにお尻柔らかいのにあのダンスが出来るって、もしかしてレオくんの筋肉ってすご〜く上質なやつってこと?」
「な、なに?やめろ突くな尻を」

 突くなと言われたので摘んだ。レオくんがまたうわぁと叫ぶ。

「上質なバネのある筋肉って、柔らかいんだって。レオくんのはちゃめちゃな身体能力の秘密かなぁ?」
「知らないし摘むのもだめ!も〜水飲んでさっさと酔いを……」
「ほら私のここと全然違うじゃん?」

 そう言ってなんの気なしに自分のお尻にレオくんの手を導けば、流石に我に返る。やばいと思った矢先、ついつい彼のとある場所に目が行ってしまった。


「勃ってるじゃん」
「おまえのせいじゃん!!」

 やりすぎたので次の日ちゃんと謝った。けれどまた私の為にウイスキーの瓶を買っていてくれたレオくんは、何かを期待している気がする。

「飲み過ぎんの、やめよ」



[prev][next]
[Back]

Copyright (C) 2016 PB All Rights Reserved.