「おい、ユラ」
「ああ、レスター、待ってね、今ヴィンセントの服のボタンをつけてるから」
……。
「なぁ、ユラ」
「ごめんね、レスター、ボーとこれから買い物に行くからそのあとでね」
……。
「ユラ!」
「なぁに? これからサンドイッチの散歩に行くんだけどそのあとでも平気?」
「……。俺も、一緒に行く」
レスターとユラ、そしてサンドイッチでアンブローズの周りの森を歩く。
「それで? 私に何の用だったの?」
「……」
レスターは何も答えず、隣を歩き続ける。
「もしかして、怒ってる?」
「少しな」
「……」
「ああ、悪い。怒ってねえ。怒るつもりじゃなくてその……。もっと、構ってほしいっつーか、もっと二人の時間があってもいいんじゃねえかなって。俺たち、付き合ってるんだし」
「へへへ……」
「なんで笑ってんだよ」
「レスターが愛おしくて。たしかに一緒じゃない時もあるけど、毎晩一緒に寝てるじゃない? 私たち、一日20時間くらい一緒にいるような気がするんだけど」
「足りねえんだよ。ユラは、それでいいのか? たったの20時間だぞ?」
たったの、という表現が果たして正しいのだろうか?
「足りないかも」
「かもじゃねえだろ?」
そういって、レスターはユラにキスをした。サンドイッチがいちゃつくならよそでやってくれと言わんばかりに、ワンと一回吠えた。