お留守番の理由

 トラックの座席で、ユラは震えながら泣いていた。
「いやー……超痛い」
 ユラの肩からだらだらと血が流れている。ボーは舌打ちをしながら、自分のシャツを引きちぎった。引きちぎったシャツでユラの肩を止血する。
「なんで着いてきたんだ!」
 ボーが怒鳴る。
 ユラは、ボーのトラックの荷台にこっそり乗り込んだことを後悔していた。
「心配だったの」
「お前は留守番だって言っただろうが。何で言うことを聞かないんだ!」
 殴られる! そう感じ、ユラはぎゅっと目を瞑った。
「安全な場所に居てくれ」
 弱弱しくボーが呟く。ユラは彼に強く抱きしめられた。
「お前が、どこかのバカに殺されでもしたら俺は……」
「ごめんなさい……」
 ボーの体がゆっくりと離される。ボーは「わかればいい」とほほ笑んだ。
「今日は最悪な日だが、いいこともあった」
 荷台から、叫び声が聞こえてくる。
「生け捕りにしたやつらを、たっぷり痛めつけてやらなくちゃな」
 そう言ってボーは悪そうに笑うと、シンクレア邸へと車を走らせるのだった。