譲れない戦い2
(名前とアフタヌーンティーでもしようか…)
そう思ったベケットは名前の部屋へと向かう。
ガチャリとドアを開けるとそこには
ソファーにはゆったりと座っているノリントンと、その膝の上に座っている名前。
「...どういうことか説明できるかね?ノリントン君。」
「これは失礼した、ベケット卿。」
と言いながらも名前を片手は後ろから離すまいとハグし、もう一方の手は髪をといている。まったく悪がる素振りを見せていない。
『ジェームズ、くすぐったいわよ』
「名前の髪はいつもサラサラだな」
クスクスと笑いながら会話をしている2人とは裏腹に、ベケットの周りは怒りと嫉妬のオーラで覆われていた。
(なぜ名前の部屋にいるんだ…第1になぜ名前は嫌がらないのだ?まさかノリントンとそういう関係になったのか…?)
ベケットの中にグルグルと不安が駆け巡る。
「…そういえばノリントン君。もうすぐスワン総督の娘とデートをするという話を聞いたんだが…プロポーズでもするのかね?」
突然の話に固まるノリントン。
「いっ、いや…そんな、ただお食事はどうかと話しただけです…ただの食事だけを…」
しろどもどろになりながら答える。
『そうだったのジェームズ?先に言ってくれば良かったのに。』
少し名前の表情が固まる。
「ちっ、違うんだ名前。社交辞令というものがあるだろう?関係上しなければならないんだ…」
必死に弁解するノリントンをよそに、その様子を見て嘲笑っているベケット。
『…まぁ、いいわよ。ジェームズは素敵だしモテるわよね…』
そう言い、名前はノリントンの膝の上から離れた。
「名前…おいで。」
名前がベケットの側へ行くと、手を引かれ唇が重なった。
突然の出来事により名前は固まる。
自然に名前の頬は赤くなる。
ノリントンは1人になった椅子に座りながら、呆気にとられていた。
ベケットは名前に熱っぽい視線を浴びせながら、唇を離す。
「…名前は私が大切に可愛がる…ノリントン君はエリザベスとデートにも行ってきたらどうだ」
そう言い残し、ベケットは名前を抱き上げ、マントを翻し自室へと足を進めたのだった。
何が行われたのかは2人だけが知る──────