愛しい時間

ビンテージな品々が数多く飾られているベケットの執務室に、パラパラと紙をめくる音が響く。






そこの主人である人物の腕の中に収まるようにして、名前はうとうととしていた。








『カトラーのいい匂いがする…』








少し寝ぼけている名前に、ベケットは優雅な笑みを浮かべる。











「君が選んでくれた香水をつけてみたんだ。私も気に入った」




ベルガモットとダージリンの気品溢れる香りはベケットにぴったりだと、名前がプレゼントしたものだった。







片手で本を読みながら、もう一方でサラサラとしたシルクの様な名前髪を指で梳かす。









その梳かす動作が気持ちいいのか、名前は身体を縮こませ、ベケットに抱き着く。








『こうするともっといい匂いがする…』










「(…なんて愛らしいんだ。これだから余計に私の手元に置きたくなるのだよ)」









華奢な身体ながらに、ギュッと抱きついてくる名前にベケットは愛しさを感じる。










「眠たいのだろう?少し休みなさい。」








そう言い、ベケットは名前にブランケットを掛け、頬に口付けをした。









「(ずっと私の側にいて欲しいのだ…)」










普段言えないようなそんな想いを込めて──────