雲一つない澄み切った空がポートロイヤルを包むある日。
街はいつもと変わらず沢山商人や船乗り達で賑わっている。
ただ、ポートロイヤルの海が見渡せる所に白を基調とした高貴な造りで存在感を示す豪邸では、いつもとは違いそこに使える使用人達だけでなく、海軍の兵士達も屋敷の中を忙しく走り回っていた。
屋敷の門を沢山の馬車がくぐっていく。
何か荷物を運んでいるようだ。
「その荷物は名前様のお部屋にお願いします。薔薇は花瓶に入れて入ってすぐのテーブルに。向きに注意してくださいね。」
大理石で出来た床がキラキラと光る玄関ホールでは、女の使用人が荷物を運びに来た商人達にテキパキと指示を出す。
「早く準備を済ませなければ」
「なんていったって今日は恋人である名前様の誕生パーティーですからね。ベケット卿も楽しみにしておられることだろう。」
メイド長と海軍の兵士がそんな会話をしてる中、
「どうだ、準備は順調なのか」
屋敷の主であるカトラーベケットが現れた。
どうやらパーティー会場でもある自身の屋敷の準備が進んでいるか確認しにきたようだ。
「お帰りなさいませ。お申し付けされた通り、名前様のお好きなローズゴールドを基調としたものでパーティー会場を飾り付け致しました。」
「よかろう。名前の好きなワインもあるのだろうな?あと客人用の飲み物もたくさん用意しておくのだ。」
「もちろんでございます。ロマネ・コンティを用意させていただきました。かしこまりました。」
ベケットはメイド長と話し終えると、海軍の上官に警備について話し、その場を後にした。