ホグワーツ到着

名前の部屋にある窓から、朝日がキラキラと射し込む。




キングサイズのベッドの上には、名前がすやすやと眠っていた。




「名前様。おはようございます。起きてくださいませ。」





「準備をしなければ遅れてしまわれます。」





使用人の2人が名前の部屋のドアを何回もノックするが、名前が起きる気配は全くない。






「名前の事だ。まだ起きていないだろう。」





主人であるヴォルデモートが急に現れ、使用人の2人は慌てて頭を下げる。





「恐れながら…名前様はまだ寝ていらっしゃいますわ。」





頭を下げたまま粛々と答える使用人。





「名前は朝が弱いからな。お前達は下がっていいぞ。俺様が起こす。」





そう言って使用人を下げさせ、無言呪文を使い、バンッという大きな音と共にドアを開き部屋へと入る。



そう、名前はとにかく朝に弱い。




普段は聡明で気品が高く、常に完璧な姿勢を崩さない名前だが、どうも朝なかなか起きれないのだ。




「名前...朝だ。起きろ。」





ベッドの上で寝ている名前の傍に行き、ふんわりと前髪を撫でる。が当たり前に名前は全く起きない。





すると、ヴォルデモートは寝ている名前の唇に荒々しくキスをした。





角度を何度も変え、舌を入れる激しいキスに名前は徐々に目を覚まし、自分がされている状況に気が付く。





「!!!!!!」






声にならない声を上げ、ヴォルデモートの胸板を叩く、





「やっとお目覚めか…これで起きなかったら呪文を使うところだ。」






激しいキスをしたためか、テラテラとした唇をいやらしく舌で舐めたヴォルデモートからはゾクッとするほどの色気が出されていた。





「この変態帝王!!」




するとヴォルデモートはさっきよりも激しい口付けをした。





「…お前がいない分だ。とにかく早く準備をしろ。ホグワーツに行きたくないのか?」





名前は眠そうな目を擦りながら、ヴォルデモートの言葉により、今日はホグワーツへの編入日だということに気付いた。







「…今日はホグワーツへ行く日だったわ!!もうこんな時間なの!?」







時刻はなんと7:30。あと30分で準備しなければならない。






「早く起きなかったお前が悪いな。それとも、俺様のキスが欲しかったからわざと起きなかったのか?」





「''俺様な''帝王様なんだこと。」





少しニヤリと笑いながら話す名前に、ヴォルデモートは「いつもの名前の調子になったな」と思うのだった。






ふんわりと巻かれたプラチナブロンドの髪に、ホグワーツの制服に身を包み、名前は鏡の前でチェックをする。





「かわいいじゃない。けど、私には地味すぎるわね。」





そう言い、指をパチンと鳴らすと、スカートがひざ上まで短くなり、ローファーはヒールへと変わった。





お気に入りのクリスタルで作られた容器に入ったローズの香水を全身に振り、高貴な香りに包まれた自身の部屋を後にした。





「名前、ホグワーツ特急で行きたいか?嫌なら馬車を用意させる。」





「馬車がいいわ。少しひと眠りしたいのよ。ありがとう。」






ヴォルデモートは相変わらず名前に甘々だ。





急いで名前は玄関ホールへと向かう。






着くと、玄関ホールの前には馬車がもう用意されていた。






「名前...くれぐれも怪我をするのではないぞ。いつも俺様が見守っている。」






「ありがとう。心配しないで。休暇には帰るわ。」





ヴォルデモートは思わず名前を抱き締めた。






「愛しい名前...愛してる。」







耳元で囁くヴォルデモートに、名前は頬にキスをする。






「私も愛しているわ。」





「ルシウスとセブルスにはお前を迎えさせるように言い付けてある。」





「ありがとう。…それでは行ってくるわ。」





時刻は8:00になろうとしている。







エスコートされ馬車へと乗り、ヴォルデモートが杖を振ると、馬車は空へと飛び立った。






残された名前のローズの香りがヴォルデモートを包む。






「名前...」




ヴォルデモートはそう呟き、名前が持っているネックレスと同じ石の指輪を撫でた。






ーーーーーーーーーーーーーー



(いざ離れると寂しいものね…)





広々とした馬車の中でそんなことを思いながら名前は再び眠りにつくのだった。






ーーーーーーーーーーーーーー

1時間は経っただろうか。





名前は眠りから目を覚ます。





「もう着くのかしら。」




そう言い窓から外を見ると、深い森の中にそびえ立つ壮大な城ーー。そう、ホグワーツ城が姿を表した。





「あれがホグワーツね!!」





名前は深紅のルージュを塗り直し、気を引き締める。





馬車が徐々に下降し、ゆっくりと到着する。




すると何者かによってドアが開かれてた。





「名前...待っていた。」




「わざわざありがとう。セブルス。」




ヴォルデモートに言われた通りセブルスが迎えてくれたが、一緒のはずのルシウスが居ないことに気付く。





スリザリンの制服を身にまとったセブルスに、エスコートされながら名前は尋ねる。







「ルシウスはどうしたの?」




「ルシウス先輩なら監督生の仕事だ。新入生達を引率していて来られない。」





「そうなのね。」






「…僕では駄目か?」





少し俯きながら尋ねるセブルスに名前は思わずキスをした。





「…!!お前は…。誰にもこんなことやるんじゃないぞ。」





耳を真っ赤にさせたセブルスは名前の腕を引っ張り、ホグワーツの玄関ホールへと向かうのだった。





(セブルスったら。可愛いわほんと…)





そんなことを思っていると、遂に玄関ホールに着いた。





「わぁ…すごいのね!!」





巨大な扉は、楽しいそうに友達と話す生徒達を迎え入れるかのように開かれている。





向かう途中、名前とセブルスは周りの生徒がチラチラと見られていた。





「おい、あの美人な子初めて見たぜ。」




「俺もだ…新入生か?それにしては大人っぽいな。しかも隣にいるのはスニベルスじゃないか!!あいつ!!後で糞爆弾投げてやる!」






「そんなことしたら彼女に嫌われちゃうよ。一緒に居るってことは友達なんだろう。」





わちゃわちゃと名前について話している4人組に気付いたセブルスは、見せつけるかのように名前を自身の方へ抱き寄せた。





「あいつ!!わざと見せつけたな!!今のわざとだろ絶対!!!」


「(いい気味だ…)」




そんなことを思いながらセブルスは足早に進めた。




残された4人組はもっとうるさくなったのだった。





たくさんの生徒が行き交う玄関ホールへ入ると、とんがり帽子を被ったマクゴナガルがやって来た。





「名前 名字ですね?」




「はい。」






「さぁさぁ、入学式が始まります。貴女は新入生達の後に組み分けされます。それまで部屋で待っていなさい。セブルス、貴方は広間に。早く行くのですよ。」







「名前、スリザリンで会おう。」





「楽しみだわ。」





名前はマクゴナガルに早々と連れて行かれ、新入生達が待機する部屋へと向かったのだった。







「お姉ちゃんも新入生なの?」



新入生達に紛れて部屋で入学式を待っていると、ブラウンの髪色の男の子が話し掛けてきた。




「違うわ。編入生なの。」




名前は優しく笑い答えると、男の子は恥ずかしそうに笑った。



「お姉ちゃん魔法見せてよ!!」




「私も見たいわ!」





男の子と話をしていると、周りに新入生達が集まってきた。





「フフッ。良いわよ。」




そう言うと、名前は片手を広げると手の上に雪の結晶が現れる。それを天井に上げ、両手で広げるように振ると、辺りにふわふわと雪が降り始めた。







「簡単なものだけどね。私、雪の魔法が好きなのよ。」






「すごい!!雪の女王みたいだ!!


「髪色も似合ってるしね!!」




新入生達に褒められ、名前は思わず笑みが零れた。






そうこうしていると、マクゴナガルが部屋に入ってきた。





「ようこそ、ホグワーツへ。さて、今からこの扉をくぐり、上級生と合流します。その前にまず、皆さんがどの寮に入るか組み分けをします。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリン。学校にいる間は寮があなた方の家です。良い行いをすれば寮の得点となり、規則を破ったりすれば、減点されます。学年末には最高得点の寮に優勝カップが渡されます。それでは入学式が始まります。着いてきなさい。」







マクゴナガルは一息つくことなく一気に話終えると、大広間へと続く扉を開けたのであった。






扉が開くと、在校生たちの盛大な拍手で向かい入れられた。




名前の目の前に広がるのは長いテーブルが各寮ごとに並べられており、天井には沢山のロウソクが浮かべられている。





「わぁ…すごいのね」




生徒達が座っている間の通路を、新入生達に続いて歩いていく。





周りの生徒は名前に釘付けになっていた。




「あの子美人すぎないか?いい匂いの香水だ…」




「すげー美人…グリフィンドールに入ってくれないかな」





「いや、レイブンクローだろ」






そんな会話を余所目に、名前はスリザリンの席に座っているセブルスと目が合った。





セブルスも名前に気付いたのか、少し照れくさそうに笑った。






着々と新入生達が組み分けされていく。






そして最後に編入生である、名前の番が回って来たのだった。