そこには白の門と黒の門というものがあって、神様と黒白それぞれの使者がいる。生まれる前の魂にはその時だけの自我があって、神様に頼むと生まれた後の人生をすこしだけ見せてくれる。でも、生まれてからのことは誰にも分からない。『未来は
じゃあ。じゃあ、わたしはどうして生まれてきたのだろうか。
生まれる前の『わたし』はこの人生をみて、なのにどうして生まれてこようとしたのだろうか。見たのなら、それが特に人生の中でも生まれたくなくなるような惨事の場面なら、きっと
ただ、それだけを芯に生きている。
──だって私は、どうしようもないほどに、文字通り、死んでも優柔不断だったのだから──今更、どうしようもないのだ。