始まりの1回目


目の前で先輩が死んだ。

突然の事で俺は何も出来なかった。

俺の目の前をトラックが横切った。

そこは先輩がいた場所だった。

急いで先輩の元へ行ったものの、すでに先輩の意識はなかった。即死だ。

俺は、死んでいるとわかっていて救急車を呼んだ。認めたくなかったからだ。

けど、結果は変わらない。先輩は死んだ。





先輩の葬式の後、カラスが俺の家の前にとまっていた。


「過去を変えたい?」


そいつは喋った。

俺は頭がおかしくなったのかと思った。

けど、変えられるのなら、先輩が死なない未来があるというなら……


「変えたい」

「ふっ、取引成立だね」


そいつはカラスのくせして鼻で笑って、そう言った。

そして俺は意識を失った。