朝、職員室にて。

その日、殺せんせーはいつも通り学校に来て、職員室に向かった。

ガラガラと扉を開け、殺せんせーの目に飛び込んで来たのは、フランとカルマ君が作った無駄にクオリティの高いホラー空間だった。


「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!」


殺せんせーは悲鳴をあげて逃げた。速攻逃げた。逃げて逃げて逃げまくって、気づいたらブラジルにいた。いくらなんでも逃げすぎである。

ブラジルで止まった殺せんせーは息を乱しながらさっきの光景のことを考える。昨日まではあんなのなかった筈だ、と。

そして、もしかしたら気のせいかもしれないと考え……いや、気のせいだと信じたかった殺せんせーは、ブラジルからE組に戻り、遠くから自分の机を見た。

普通にホラー空間があった。でも今度は殺せんせーは悲鳴をあげなかったし、逃げもしなかった。ちなみに震えてはいた。ものすごく。

とにかく悲鳴あげ逃げなかったのは、殺せんせーとホラー空間の距離が離れてたのと、見るのが二度目だったからだろう。

ずっと震えながら見つめているうちに、そのホラー空間に慣れ、それが全部作り物だと気づいた殺せんせーは、授業に遅れるからさっさと片付けようと一歩前に出た。

すると突然フランの作り出した無数の日本人形が一斉に殺せんせーの方へバッと振り向いた。フランの幻術能力はすごく高いからこんなことも出来るのだ。本当に力の無駄遣いしていると思う。

さて、それを見た殺せんせーはまたまた逃げだした。悲鳴をあげなかったことはさっきよりましだと言えるが、実際はただ単に怖すぎて声が出ないだけだったのが本当に情けない。

その日、珍しく殺せんせーは10分ほど遅刻した。

遅刻した理由を知っているのは、イタズラを仕掛けたカルマ君とフランだけである。

のちになんで遅刻したのか、2人からクラス中に広まり、しばらくクラスの皆から殺せんせーがそのネタで弄られることになるのだか、それはまた別のお話

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