死は何になる/kn
元々知っていただろ。誰にも言えずに誰にも本音を隠して頑張って耐えてきたことを。頑張って笑っていたこと。誰になんと言われようと反論しないで頑張ってきたから誰から褒められなくなって自分を苦しめていたことに気づくのだって遅くなった。
「ほんと、ばかみたい」
なんて呟いても誰も気づかない。誰も知らない。
ただ、私のことをいつも気遣って見守ってくれたのは幼馴染だった。何かあれば心配そうに私を見ては
「今日、なんかあったか」
なんて聞いてくる。ここで言えばきっと彼は救ってくれるなんて思ってるけど言えば言うほど自分を呪う。呪縛のようだ。だから、笑顔で対処しなきゃ行けない。
「大丈夫だよ。コネシマこそなんかあった」
話題を変えたりもすればきっと話も変わる。いつもそうやって乗り越えてきた。自分が元々主役に慣れないのは知っていただろ。誰もが主役である物語なんてない。そんな物語が存在をするのなら私は主役になれたのだろう。
「いや、なんもあらへんけど。お前は辛い顔をしていたから気になっただけや。」
「そんな顔してた。あはは、そんな顔してるつもりはなかったのにな。」
今日だってクラスメイト、親にだって騙せたのにどうしていつも彼は気づいてしまうのか。私が苦しんでることに気づいちゃうの。
「それならいいけどもし、苦しかったらいつでも言えよ。俺は困らへんから」
なんて言ってくれるけどそんなこと言ったて言えるはずないじゃん。もし、そんなことを話して失望したらどうする。「こんな奴」なんて思われたらどうする。もし、そんなことを話して彼を悩まして彼まで苦しましたらどうする。
主役を困らせてはいけない。私はモブなんだから。この世に生きている限りは私はモブなんだから偽らなきゃ。頑張らなきゃ。いつだって私は一人なんだから。
苦しいなんて思ったらダメなんだ。諦めてこれが当たり前なんて思わなきゃいけないんだ。誰もが自分が生きていることが主役ならば誰かがサブにならなきゃいけないんだ。誰かが手助けをして誰かが応援しなきゃ。そうしなきゃ物語は上手く動かないでしょ。
「ありがとう。コネシマだけだよ。そう言ってくれるのは...こんな奴を構ってくれるのは。やっぱりコネシマには心あるんだね」
なんて言えば彼は下を向いて手を思いっきり握っている。やっぱり思うんだな。「此奴は生に縋っていないんだ。」
私は生きている意味なんてないって思っている。ならば死ねばいいじゃんって思うだろうが私にはその勇気もない。ただのヘタレ。誰かに攻められれば病むし誰かにそんなこと思われればそこにいたくない。吐き気や気持ち悪さを感じてしまう。そういう体質なのだ。
周りは心配してくれるが私にとってそれを苦しめる材料である。呪いのように自分の心を食い殺しいく。いつからちゃんと笑えなくなった。作り声作り笑い作り作り作り。何もかも作って偽って残ったものはなんだろうな。
「俺は今、お前が何を考えてるかわからへん。だけど一つだけはわかるんや。お前が苦しんでること。そして死にたがってることだけは」
「そうだよ。私は死ねるんだったら今すぐ死にたい。生きている意味、そんなものはない。やりたいことは無い。何も無い人生(ものがたり)が成立するわけない。もう、私を苦しめないでくれ」
コネシマはきっと離れていってくれる。私は生きているだけで周りを不幸にする疫病神。だから、いつも死にたがる。いつも死にたいなんて思う。やりたいこと、今はそんなものない。親からも褒められない。周りからは笑われ物。
まるで道化師だ。
「コネシマは私を殺せる」
私はただ、一言そう放つ
誰も殺してくれない。殺してくれるわけが無い。きっと私を殺せば罪悪感で彼はまともな人生を生きられるわけが無い。
心がある君ならきっと殺してくれない。
「死は救済であり絶望でもある。私にとっては救済であるが周りからしたら絶望だろう。私が死ぬことで泣くもの達もいるだろう。そんなことは知らない。死んだ私にはそんなものを見れないから。死ねば最初で最後の主役になれる。そう思ってるから」
なんて口から勝手に出てくる呪いの言葉。
死んだらきっと最初で最後の主役
「コネシマ、私を最初で最後のステージに立たせてよ」
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