才能なんて/zm
才能ってなんだっけ。いつからかそんなようなことを考えるようになった。とあるアニメで「才能は開花されるものセンスは磨くもの」なんて言われていたが自分にそもそもの才能があるのか。
だから、長年の友人に一度聞いてみたことがある。
「私の才能って何」
そういうと彼は悩んでくれた。そこまで悩む必要は無いのになんて考えていると閃いたのか悩んでいたのがスッキリと晴れてドヤ顔をしている。それはウザイななんて思ってしまう。
「お前は人を救う才能がある。人が困ってたら手を差し伸べてくれる。悩みがあったら聞いてくれる。何かあればずっと傍にいてくれるところだと俺は思うで」
「ゾムって意外と人を見ていないんだね」
「お前よりはしっかりと見てるで」
なんてにひひひと笑っている。長年の友人と言いながらも毎日会っているような仲では無い。彼とは違う学校で彼は私立に通っている。私は公立に通っているから学校が違えば会う頻度も変わるだろう。
「私だってしっかりと見てるからな」
なんて言って楽しい会話をしていれば時間を過ぎるのははやいのかそろそろ家に帰らないと親に怒られるそんな時間になってしまう。
「そろそろ帰るか」
なんて言えば彼は少し辛そうな顔をこちらに向ける。いつもフードを被っているが長年の付き合いでフードを被っていてもどんな顔をしているかは雰囲気で何となくわかった。
「なぁ、もし、俺が死んだらどうする。」
「冗談は言わないでよ。死んだら私も後追い自殺しようかな。なんて嘘だけど。お前が死ぬ事なんて想像つかないしお前と何年、何十年と語り合いたいじゃん」
なんて言えば辛そうな顔から晴れやかな顔というのか「せやな」なんて言って雰囲気を変える。なにか辛いことがあったのか苦しいことがあったのか。事情を聞きたいが聞いたところで何か変わるか。
変わるわけが無い。違う学校なのだから私が手出しできるはず無い。
「お前にほんと、会えてよかったわ。ほんと、お前は人を救う才能はあるよな。俺はお前が羨ましいよ。俺はお前に救われた。お前がいたから今まで楽しかったし幸せだった。ほんま、ありがとうな」
そう言ってゾムは逃げるように走って帰っていく。なんだったあの言葉は。
まるで今日で最後のように
なんて嘘だよな。また、明日も会えるよな。
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次の日、彼はこの世に居なかった。
私が知ったのは彼のお母さんからの電話だった。
彼は幸せそうに死んでいたらしい
遺書にも私の事が書いてあり、元々死ぬ予定だったなんて書いてあったらしい。
「何が救う才能があるだ。他の奴らを救えたからってお前を救えなかったら意味無いじゃん。なんであの世に行ったんだよ。私を置いてかないでよ。お前はありがとうって言うなら生きてまた、お礼をしてよ。また、話してよ。また、語り合おうよ。」
脳は真っ白になってからも心に留まるはずの言葉永遠と外に漏れ出す。
「そんな才能なんて欲しくない。そんな才能があるのならばお前は生きていろよ。隣に立ってなんか喋れよ」
人を救う才能なんていらない。
ただ、隣でゾムが立ってれば良かった。
彼が隣で笑ってればよかった。
時を戻るなら戻って彼を生き返らせてくれ。まだ、彼に伝えたいことやりたいこともあったのに。
ただ、後悔だけが私の心に残る。
そしていつからだろうか....
死は救済であり絶望であると言うことを考えたのか。
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