バームクーヘン /htrn


俺はこの国で初めて出会ったのかもしれない。美しくどこか儚い彼女は俺の心をどこか心を射抜いてくれるんだ。彼女に会う度に俺の心臓は飛び跳ねてしまう。表情はきっと出てないはずだ。こういう時だけはマスクに感謝をしたいなんて思ってしまう。馬小屋で外道丸の面倒見ていた時に彼女は馬小屋にやって来た。

「そのお馬さんはひとらんらん様のでしたのか」

そう言って彼女は隣にいる綺麗な毛並みの茶色の馬。どこにでもいるような見た目としているが毛並みや瞳はどこの馬とは違っている。

その馬と戯れあっている彼女は可愛いなんて思ってしまった。俺が最初に見た時は美しく儚いと思っていたのに、今は可愛いくて小動物に思えてしまう。なんとも言えない可愛さに俺は無意識のうちに口角が上がってしまう。

「そうだけど。そちらの馬は貴方のでしたか」

「そうですよ。この子はとてもいい子で」

なんて喋っているとヤキモチを焼いたのか彼女が毛を整えている子は彼女頬を舐めて戯れあっている。俺も彼女と仲良くなれたらなんて思っているが。俺にはできない。俺が触れてしまったらきっと彼女は壊れてしまうなんて思ってしまうと俺は彼女に話しかけることが出来ない。

馬小屋で話した日から何日経ったのだろうか。あの日からずっと目で勝手に追いかけている。仕方ないことだろ。俺だって好きな人を目で追いかけてしまうんだから。そんな歳じゃないのは分かっているけどあの子がどれだけ可愛いくて美しく儚いのだから。

彼女は今日も剣の練習をしている。そんな彼女を俺は遠目に見るしかないんだなって思うと俺はめちゃくちゃ乙女じゃんって思ってしまう。

彼女と目が合ってしまう。気まづくないけど何か気まづくないと思ってしまう。振られたわけじゃないのになんでそんなことを思ってしまう。

「ひとらんらん様、今、お暇ですか」

「そんなに仕事は無いけど。どうしたのかな」

「幹部様に御指導をして貰いたいのですが。大丈夫でしょうか」

そういう彼女の瞳は俺だけを写している。なるほどな。この子はこうも真面目な性格をしているのか。

「いいよ。とりあえず、俺と普通に勝負しようか」

そう言うと彼女は剣を持って数米先に立っていつも構えの形をしている。

その真剣な瞳が俺の心を貫いてうるさくさせる。めちゃくちゃ心臓が煩く鳴り響く。これが恋って言うものなのか。いつから、彼女に恋をしてたのか分からないけど。俺はずっと恋をしてたんだろう。

俺の恋の気持ちは揺るがないまま、そして叶うまではこの気持ちは保ち続ける。軍人だから戦争には出てしまうがきっとお互いに死ぬことなどなく無事に帰ってくることを祈り続けるしかない。

その前に俺は目の前の勝負に勝つしかない。









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