3人で街中を歩いていると、
「お嬢様〜っ!」
何処からともなくルミエールが手に何かをもって走ってきた。
「お嬢様、これをどうぞ」
そう言ってルミエールが袋から取り出したのは、白いウサギのぬいぐるみだった。
「なにこれ…」
「私からのプレゼントです」
「な、なんでプレゼントなんか…」
ルミエールは何も言わずに微笑んでいる。
「あ、ありがとう…一応貰っておくわ…」
そう言ってぬいぐるみを受け取った。
アイスがぬいぐるみを受け取るとルミエールは満足そうな表情になった。
アイスはぎゅっとぬいぐるみを抱きしめた。
その表情は不機嫌だった先程とは違い少しだけ嬉しそうだった。
「アイス良かったわね!」
アリシアも嬉しそうに微笑んだ。
「ええ…」
「アイスが嬉しそうだと私も嬉しくなっちゃう!」
「う、嬉しそうだなんてそんな…!」
クレールが小さな声でルミエールに言う。
「お前、何がしたいんだよ…」
「僕はアイスお嬢様に笑ってもらいたかっただけだよ」
ルミエールも小さな声で返す。
「…あまり入れ込むなよ、あくまで俺たちは旅の間だけの付き人。それを忘れるな」
「わかってるよ」
ルミエールは笑顔で返事をした。
「でも何故うさぎなのかしら…?しかも白いうさぎ」
アイスはぬいぐるみを見ながら言った。
「可愛いからじゃないかしら?」
アリシアが答える。
「…そうね」
クレールは2人の会話を聞いた後じーっとルミエールの耳を見た。
「…」
「…何?」
「いや、何でもない」
(こいつ、いや、まさかな)
クレールはどうやらルミエール自身が白兎だから白いウサギのぬいぐるみを選んだと思ったらしい。
本当のところはわからないが。
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