「やぁやぁ、姫様方。よく来てくださいました」
そう言ったのは太めで立派な髭を生やした男性だった。
男性はにこやかに笑っている。
「私が大臣のオズマンドと申します」
男性がそう名乗った。
「トランプの国のアリシア・ダイヤハーツです」
「トランプの国のアイス・クラブスペードです」
アリシアとアイスが順番に名乗った。
オズマンドはチラッとアイスの方を見た。
そしてまた何事もなかったかのように笑顔になった。
(今、一瞬見られたような…?)
アイスは疑問に思ったが口には出さなかった。
「して、そちらの方々は?」
オズマンドがクレールとルミエールの顔を見て言う。
「申し遅れました。私はアイスお嬢様の付き人として同行させて頂いてるルミエールと申します」
「アリシア王女の付き人のクレールです」
「そうでしたか。おや、アイス様が持っていらっしゃるのはうちの国のぬいぐるみではありませんか!」
オズマンドはわざとらしく驚いた。
「そうですが…」
「わが国のものを気に入っていただけているようでなによりですぞ」
そういってオズマンドはアイスに手を差し出した。
アイスはおそるおそる手を握った。
オズマンドはもう片方の手を添えて握手をした。
(何か嫌…)
オズマンドが手を離すとアイスはホッとした。
「さあ、立ち話も何ですからお掛けください」
その言葉を合図にアリシアとアイスはソファに座った。
「して、どのような御用で?」
「あの…今回のアリスの戦いのことで…」
アリシアがそう言うとカイルとレイルが勢いよく反応した。
「アリスの戦い!?」
「お姉ちゃん達アリス候補なの!?」
「すっげー!」
「俺達のときにアリスの戦いが起きるなんてついてるね!」
「だよねー!」
カイルとレイルははしゃいでいる。
「カイル様レイル様」
オズマンドはそう言うとわざとらしく咳払いをした。
王子達は黙った。
「アリスの戦い…そうでしたな、トランプの国から通達が来ておりましたな」
「それで…私達はどうしたら…」
「各国の王族に認められた方の勝ちって言われてるのですが…」
「うーむ…国王は現在いませんし、王子達もあの調子ですし…」

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