「アリシア様はこちらを、アイス様はこちらの部屋をお使いください」
一階の客間の前でメイドがそれぞれ別の部屋を手で示す。
「それから…」
そういってメイドはチラチラとクレールとルミエールを見ながらもじもじしだした。
ほんのりと頬が赤く染まっている。
「どうかなさったのですか?」
「いえ…!あの、その、クレール様とルミエール様はあちらとそちらの部屋をどうぞ!皆様の食事は後でお運びいたしますので!」
そう言うとメイドは足早に去っていった。
「では、姫様とお嬢様はお言葉に甘えて部屋でおくつろぎください」
クレールが言う。
「クレールさんとルミエールさんは?」
アリシアは不思議そうに尋ねる。
「私達のことはお気になさらず。何かあったときのために部屋の前で待機しておりますので」
クレールが無表情で言う。
「でも…」
「私達はあなた方をそれぞれ守る為にいるので。これは女王様からの任務ですのでお気になさらず」
アリシアはクレールの態度に少しだけ悲しくなった。
「姫様、心配しないでください。後でちゃんと休ませておきますから」
ルミエールが微笑んで言う。
アリシアはその言葉に安心したのかルミエールにお礼を言って部屋へ入っていった。
「さあ、アイスお嬢様も」
ルミエールがアイスに向かって言う。
「…あなたもちゃんと休むのよ」
アイスはそれだけ言って部屋へと入っていった。
ぬいぐるみを大事そうに抱えながら。
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