チョコレートの川は氷砂糖でできた岩を通り抜けなければならず、非常に困難な通り道である。
「ここは、お任せ下さい。
お手をどうぞ、お嬢様」
ルミエールは手をゆっくりアイスに差し伸べた。
「あ、ありがとう…」
アイスはその優しいエスコートにまだ慣れていない様子であった。
「アリシアお嬢様も」
ルミエールがアリシアに手を差し伸べようとすると、
「何をしているルミエール。
お嬢様は私がエスコートする」
きっ、とルミエールを睨むクレール。
「すまない、クレール」
ルミエールはクレールに謝り、アイスの元に付いた。
「お嬢様、足元にお気をつけ下さい」
「ありがとうクレール!」
差し伸べたクレールの手をきゅっと握るアリシアはずっとにこにこしている。
「眩しすぎるわ」
ぽつりとアイスが呟く。
それを近くで聞いたルミエールは、
「アイスお嬢様も眩しいですよ」
とアイスに向けて笑顔を見せるルミエール。
「…っ、からかうのはやめてちょうだい」
「からかっていませんよ、本心ですから」
ルミエールの言葉にドキッとするアイス。
無事に全ての氷砂糖の岩を渡り終えた4人。
「そんなことより貴方、さっき何を見つけたの?」
アイスが逸らすかのようにアリシアに聞く。
「そうなのアイス。さっき、黒いカラスの群れが円を描きながら特定の場所で回っていたの」
「それは妙な感じですね」
ルミエールはがらりと深刻な表情に変わった。
ここはおかしの国。
黒いカラスが宙を舞っているのは不自然だ。
「近くで何かあったのかも…
行ってみましょう!」
「お待ち下さい」
アリシアを引き止めるクレール。
「アリシアお嬢様。先ずはお城へ向かい、おかしの国の姫であるアプリコット様にご挨拶をするのが最優先でございます」
「そうね。お城に向かいましょう」
4人はすぐそこにあるおかしの城に向かった。
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